Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

アルペンスキーの世界選手権がやっと開幕(オタク記事)

  今日は出勤日なので、夕食を外で済ませて午後7時過ぎに帰宅。晩御飯の準備や片付
 けがないと楽ですね。少し時間があるので、録画していたアルペンスキーの世界選手権
 のビデオを見ました。イタリア北部のスキーリゾート地、コルティナ・ダンペッツォで
 の開催ですが、2月8日開幕予定だったのが荒天のため3日も順延となり、ようやく11日
 に最初に種目の女子スーパー大回転が始まりました。録画しているのは男子のスーパー
 大回転と滑降(ダウンヒル)という高速系の2種目です。
  ※スーパー大回転とは、ダウンヒルとジャイアントスラローム(大回転)の中間的な
   種目で、高速でスキーを滑らせる滑降技術と、旗門をクリアするターン技術の両方
   を必要とする種目です。
  
 ・・・いきなりマニアな内容でスミマセン。
 まず開催地のコルティナ・ダンペッツォのご紹介から参りましょう。ここは北イタリア
 のアルプス山脈の南側に広がるドロミティ地方にある山岳リゾート地です。スイスアル
 プスのような高い山はありませんが、北にはアルプスの3000メートル級の銀嶺の峰々が
 連なり、その麓には青く輝く美しい湖が点在する風光明媚なところです。(行ったこと
 はないので伝聞推定ですけど。)
  夏のドロミティ地方はこんな感じ ↓ だそうです。一度行ってみたくなりますね。

    

  夏の登山・トレッキングも素晴らしいと思われますが、冬は有名なスキーリゾートと
 して多くのスキーヤーが訪れる場所です。ここでは1956年(65年前!)には冬季五輪が
 開催され、日本の猪谷千春(いがやちはる)さんが日本人で初めての冬季五輪金メダル
 を獲得したそうです。種目はアルペンスキーの回転(スラローム)。そして2026年には
 もう一度冬季五輪の開催が決まっているそうです。北京の次ということですね。


  冬はこんな ↓ 感じになるようです。こんな山頂の山小屋に泊ってみたいですね。天気
 が良ければ絶景が拝めることでしょう。 

 


  現地はだんだんと天候が回復したようで、昨夜の男子ダウンヒルの試合は絶好のコン
 ディションだったようです。結果的には順延にして良かったのかも。
  さて、今回の世界選手権で使う高速系種目コースは、この大会に合わせて新しく設計
 されたものだそうで、なかなかの難コースのようです。滑降(ダウンヒル)のスタート
 地点は標高2,400メートル、ゴール地点は1,560メートルですので、約800メートルもの
 高低差を滑り下りてくるのです。平均斜度は31%、最大61%というとんでもないコース
 ですよ。私だったらコワくてパスです。(当たり前やん。オッサンはすぐに雪だるま、
 イヤ血だるまになってまうで。by妻。)


  スタート直後からこんな ↓ 急斜面です。下界の景色が素晴らしいですが、選手たちは 
 そんな心境にはなれないでしょう。 

  テレビ映像でコース案内を見ていても、とても普通の人が滑ることなど無理なコース
 です。こんなコースで100分の1秒を争う過酷なレースが繰り広げられます。どうですか
 この角度。こんなところを時速100Km超で滑り降りるなんて神業ですよね。

  さて、レースは録画中継なので生放送のような緊迫感は不足しますが、それでも迫力  
 の滑りに興奮しました。ネットで先に結果を見ないようにしていたので、誰が勝つのか
 わからないのもスリルがあって良かった。しかし本当に難しいコースのようで、序盤の
 斜面を高速で滑りすぎると直後の難所を曲がり切れずにコースアウトしますし、それを
 防ぐために抑え気味にライン取りをするとスピードが乗らずに後半の緩斜面でタイムが
 稼げないという、どうすりゃいいのよという状況。
  そんななかで優勝したのは、なんとスーパー大回転も滑降も同じ選手。オーストリア
 の今季好調のベテラン、クリヒマイヤー選手でした。

  スーパー大回転では序盤の高速斜面でのスピードを保ちつつ、小さなジャンプの後で
 急激にカーブとなる箇所で、一瞬わざとスキーを横にしてブレーキをかけつつ、最小限
 度の減速で難所のカーブを曲がり切り、スピードを保ったまま緩斜面に突入するという
 仰天テクニックを披露しました。思わずアナウンサーが「あ、スキーが横になりました        
 (減速してしまいます)」と叫びましたが、解説の富井剛志さんは「これはわざとそう
 してコントロールしていますね」と鋭い指摘。さすがのプロですね。言われなければ、
 私もそうだとはわかりませんでした。クリヒマイヤー選手は今シーズン好調ということ
 もありますが、この新しいコースの特性を把握して緻密な戦略を立てるクレバーさと、
 それを確実に実行できる技術があってこその快挙だと思います。ほぼノーミスの選手は、
 彼のほかは数人のみ。
  ダウンヒルも最初に滑ったクリヒマイヤー選手は、難コースの罠にはまらず安定した
 滑りを見せ、結果的に100分の1秒差でトップを取りました。世界選手権で高速系種目
 の2冠は久々の快挙です。米国の人気選手ボード・ミラー(愛称ボーディー)以来か?
 おめでとうございます。
  攻略の難しいコースで厳しいレースだったけど、見ごたえがあったなぁ。


  しかしこの高速系種目には、残念ながら男女ともに日本人選手が出場していません。
 日本では高速系種目のコース自体が少ないこと、体格・体力に劣る日本人選手はどちら
 かというと技術系種目のほうが得意ということなど、いろいろ事情はありますが、少々
 寂しいですね。昔は男子は富井さんや滝下さん、女子では「弾丸娘」の異名?を取った
 川端絵美さんといった日本人ダウンヒラーもいたのですが、その伝統は途絶えつつある
 ようです。
  さて、今週は技術系種目中心の競技になります。日本人選手も登場します。NHK-BS1
 で毎日深夜に放送がありますので、この閉塞した日々のささやかな楽しみとなります。
 ヨーロッパもコロナの影響はひどく、世界選手権も無観客試合ですが、なんとか無事に
 開催してくれて良かった。選手、関係者の皆さん有難う。


  今回は(も?)、ほとんどの方が関心のない記事でスミマセン・・・