Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2017年夏、北欧&ドイツの旅 ㉝「渡り鳥ライン」でドイツへ

  4年前の記事をダラダラと続けています。ようやくデンマークからドイツに入ります。
  さて、コペンハーゲン中央駅を発車したICE特急列車は、シェラン島を南下していき
 ます。デンマークは首都コペンハーゲンのあるシェラン島をはじめとする島と、大陸と
 地続きのユトランド半島からなっています。デンマークは、グリーンランドも領有して 
 いますが(トランプ氏がグリーンランドを売れ、とデンマーク首相を恫喝した話があり
 ましたね)、本国のシェラン島が最も人口が多くて重要な地域となっています。


  妻のお気に入りだったI・C・E(イー・ツェー・エー)は乗り心地抜群で快適。
 革張りのシートは高級感があります。オープン形式の座席が大半ですが、一部に伝統的
 なコンパートメント形式の座席もありました。一等車はとてもゆったりしています。

  パンダ君もご満悦ですね。(またかい。by妻)

  一等車は通路を挟んで2列×1列のゆったりした座席配置で、車内は静かです。 
 パソコンを開いて仕事をしているビジネスマン、午後のひと時を思い思いに過ごして
 いる乗客のみなさん。そんな中をチョコマカと車内撮影でうろうろしているオッサン。


  ただし、ドイツのような高速新線ではなくデンマーク国鉄の在来線を走りますので、
 スピードはそれほど出ません。車窓には酪農王国デンマークの、のんびりした田園風景
 が広がります。

  途中、デンマーク最古の街でありデンマークで最も権威のある大聖堂を持つロスキレ
 に停車します。ここは時間があれば立ち寄りたかったところですが、オッサンの立てた
 ぎゅうぎゅうスケジュールでは到底無理。素通りです。(そんなんばっかりや。by妻)
  ロスキレの駅舎の窓ガラスにオッサンの乗る列車が写り込んでいます。

  ロスキレから南に向かい、シェラン島からデンマーク最南端のローラン島に渡ります。
 島と島の間隔が狭いので、道路と一緒に鉄道にも橋が架かっています。 

  そしてローラン島の南端、ロービ?の駅に到着します。デンマーク語は読めん!

  そして乗客は全員ここで下車します。え~?なんでや?(by妻)
  あ、正確に言いますと駅で降りるのではありません。は?


  しばらくすると、列車がゆっくりと動き出します。そしてなんと、港に停泊している
 カーフェリーの船底に列車が吸い込まれていきました。   

  そうです、ここからは列車が船に積み込まれ、海を渡ってドイツ本土に向かうのです。
 えー、日本では考えられませんが、ヨーロッパ人は列車を乗り換えるのではなく、列車
 がそのまま船に積み込まれて列車のまま目的地に向かうという発想のようです。
  昔、日本でも青函連絡船(本州と北海道)や宇高連絡船(本州と四国)が鉄道連絡船
 として存在しましたが、いずれも乗客はいったん列車を降りて船に乗り、船を降りたら
 また違う列車に乗り換える方式でした。ヨーロッパ方式ですと、東京や上野から乗った
 列車のまま連絡船に乗り、札幌や高松に直通で行けるようなイメージですね。もっとも
 今の日本では青函トンネルや瀬戸大橋ができましたので、船に乗る必要なく直通か可能
 になってきていますけどね。(北海道新幹線は函館までちゃうか?by妻)
  乗客は列車に乗ったままフェリーの中に入ることができ、列車がフェリーの中に積み
 込まれた後、列車の扉が開くので車外に出てフェリーの船室でくつろぐことができるの
 です。乗客が全員列車を乗り降りして乗下船の手続きをするよりも、この方がかえって
 面倒がなく時間も節約できるのかもしれません。ただし、カーフェリーの船室に積み込
 む必要があるので、この列車は4両編成となっており、架線から電気を取り込む電車で
 はなく、架線のないところでも走れるディーゼルカーととなっています。たぶん電車に
 比べても重量が軽いのでは? そうだったのか!(by妻)  
  カーフェリーの船室に、大型トラックと一緒にちょこんと列車が収納されているのは
 なんだかカワイイですね。しかも妻が言うようにICEの丸みを帯びた先頭部分ですと
 なおさらです。オッサンはわざわざ列車の先頭部分まで行って写真撮影しました。
 (そんな人は一人もおらんかったで。さすがは電車小僧やの~by妻)


  このコペンハーゲン~ハンブルク間の列車搬送フェリーは、鉄ちゃんには有名で、
 「渡り鳥ライン」と呼ばれて親しまれています。オッサンも少々興味があって、乗って
 みたいと思っていました。残念ながら?、まもなくこの区間に大きな橋が完成するよう
 で、そうなりますと渡り鳥ラインも消滅します。(残念やのうて、そのほうが時間短縮
 で便利になるからええんちゃうか?悲しむのは鉄っちゃんだけやで。by妻)


  そういえば、妻と昔行ったシチリア島も、こんな感じで本土と鉄道連絡船で結ばれて
 いました。あの時は9両編成の客車を3つに分割して機関車を付け替えて船に積み込む
 ので、大変な時間がかかりました。しかもドイツ人ではなくイタリア人の作業ですから、
 優に一時間かかります。すぐ目の前に見えている対岸に渡るまでトータル一時間半以上
 かかるので参りました。(しかも必ず遅れるので結局二時間は必要・・・)
  一方「渡り鳥ライン」のロービ~プットガルテン間はシチリアのメッシーナ海峡より
 は距離がありますが、乗船時間は30分、トータル所要時間でもジャスト一時間です。


  さて、乗客はトランクなどの大きな荷物を置いたまま、貴重品だけをもってフェリー
 の船室や甲板でくつろぐことができます。暗い船室の中で狭い密閉空間の電車の座席に
 いるよりも、気分転換になっていいです。

  オッサンは甲板に出て、海の空気をたっぷり吸いました。ちょっと風が強くて肌寒く
 感じましたが(午後6時近いからね)、開放感があってリラックスできました。そして、
 乗船時間は30分ほどですが船内を探検?します。
  ちょっとした軽食やアルコール類の頼めるカフェがあって人気でしたが、なんと小さ
 いながらも免税店までありました。デンマークとドイツはともにEU加盟国でシェンゲン
 条約締結国なので国境審査はなく国内航路のような感覚ですが、国際線の船の上は免税
 エリアになっているのですね。もちろんヘルシンキからストックホルムのように一晩を
 かけて航行する船とは違いますから、お買い物も急ぐ必要がありますけどね。 

 そうこうしているうちにもう船内アナウンスがあり、ドイツのプットガルテン港にまも
なく到着するとのこと。早めに列車の座席に戻らないと、置いてけぼりにされてしまいま
すので要注意です。乗客も次々と列車に戻ってきました。(また写真撮影かい!by妻) 

  いよいよドイツ、ヨーロッパ本土に到着です。

  プットガルテンから北ドイツを代表するかつての港町、ハンザ同盟の女王と呼ばれた
 小都市リューベックまで向かいます。ここからは単線になるようです。
  プットガルテンから約一時間、19:36にリューベックの駅に到着しました。某南欧の
 国と違って遅れはありません。(しつこいな。よほど根に持ってるんやな。by妻)

 さて、ここからラスト2日間。ドイツの観光都市を巡ります。
 まずは誇り高い「ハンザの女王」、リューベックの街を散策します。続きます・・・