Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2017年夏、北欧&ドイツの旅 ㉟リューベックの夜

  北ドイツ・リューベックの記事の続きです。ホテルに午後7時過ぎにチェック・イン。
 この日の宿はホルステン門を通ってトラヴェ川を渡ったところの川沿いにある旧市街の
 ホテル、イェンセンです。古い建物を使っていて小ぢんまりしている中級ホテルですが、
 静かな場所にあって落ち着いた雰囲気のホテルです。何よりもコストパフォーマンスが
 よくて、シングルで一泊80ユーロくらい(約1万円強)。駅までも近いし、旧市街の
 見どころにも歩いて行けます。
  では重い荷物を放り出して、旧市街の散策と夕食に出かけます。もう午後7時半です。
 トラヴェ川を渡った旧市街の入り口はこんな感じ ↓ です。ホテル・イェンセンは、この

 写真の右手にあります。すぐ背後に見える尖塔は聖ペトリ教会のようです。

  聖ペトリ教会から道を道を挟んで反対側(上の写真で道路の左側)に行くと、ハンザ
 自由都市リューベックの政治の中心、市庁舎のあるマルクト広場に出ます。

  夕方遅い時間なのですが、あまり人はいません。イタリアとかスペインの町だと、夏
 のこの時間帯は人々で大賑わいなのですが。ドイツ人は出不精&寡黙なんでしょうね。
 それにしてもこの市庁舎の建築様式は独特です。重厚な黒レンガ造りで、表面には釉薬
 が塗られていて、荘厳な感じです。13世紀に建設され、今でも部分的にその遺構が残っ
 ているそうです。そして、驚くことに今でも現役の市庁舎なんです。スゲェ。イタリア
 のシエナ(プッブリコ宮殿)もそうだし、パレルモの王宮は州議会になっていたりする
 ので、ヨーロッパの国は歴史ある建造物をそのまま利用していることが多いようです。
 まぁ石造りだから長持ちするんでしょうね。しかしその代償?として自由に見学はでき
 ず、ガイドツアーでのみの見学となるようです。ケチやな。
  丸い紋章はハンザ同盟の都市の紋章かな?リューベックが盟主ですので、他の都市は
 一目置いていたのでしょうね。建築はゴシック様式なのかな? 当時の先進国であった
 フランドル風のように感じます。そうだ、なんとなくフランドル(ベルギー北部)の街
 ブルッヘ(ブルージュ)に雰囲気が似ているな。ブルッヘにはハンザ同盟の在外公館が
 置かれていて、リューベックの商人たちが頻繁に訪れていたそうですから、そこで目に
 したものを吸収したのかもしれません。

  市庁舎内部には入れませんので、外観だけくまなく見学しました。
 旧市街のメインストリート、ブライテ通りに面した部分は回廊になっていました。

  市庁舎の向かい側には、リューベックでも有名なお菓子の店、ニーダーエッガーの
 本店がありました。もう閉店していますので、ショウウインドウだけの見学です。 

  このお店はマジパン(アーモンドの粉でできたお菓子)専門店なのですが、マジパンを
 使っていろいろな楽しいオーナメントを作っています。食べても良いし、食べずに飾って
 おいてもいいですね。これ、全部マジパンなんです。水兵さんも、ゴマちゃんも。

  ゴマちゃんがキャワユイ・・・オッサン、もうメロメロです。(見苦しいわ。by妻)  

  オッサン、なんだか興味が湧いてきました。明日時間が合ったら寄ってみようっと。
 うわあ、こんなのがあるんだ。妻が絶対に喜ぶよな・・・

  


  市庁舎の隣には巨大なマリエン教会がありますが、ここも既に閉まっています。
 赤レンガが夕日に染まって美しいです。翌日、訪ねなおしたいと思います。

     

  仕方がないのでそのはす向かいにある、リューベックの誇るもう一つのモニュメント
 を見学しにまいります。これ ↓ です。

   

  はい、この白亜の館は、この街で生まれたノーベル文学賞受賞者のトーマス・マンが 
 住んだ屋敷です。ブッデン・ブロークハウスと呼ばれています。そうです、彼の代表作
 「ブッデンブローク家の人々」にちなんでいるのですね。映画にもなった「ヴェニスに
 死す」や、深い教養に裏打ちされた「魔の山」などが有名です。(オッサン、ちゃんと
 読んだことあるんか?感想を述べよ!by妻)
  しかし残念ながらここも外観のみの見学となりました。(あかんやん・・・by妻)


  そろそろ午後八時を回りましたので、夕食にしたいと思います。目をつけていたお店
 に行ってみました。うわ、かなりの混雑のようです。やっぱり人気店なのね。

     

  このお店は新鮮な魚介中心の北ドイツ料理の店、シッファー・ゲゼルシャフトです。
 その名の通り「船員組合」だった由緒ある建物で1535年に建造されたそうです。内部も
 往時の雰囲気が残されているそうで、料理とともにリューベックの歴史を味わうことが
 できると評判のお店です。もちろん料理は一流、値段も高級。でもせっかくだからここ
 にしようと決めていました。予約なしでも入れてくれるかな・・・(小心者のオッサン)
   
  しばらく待たされましたが、なんとか席を確保できました。うわぁ、中は団体の観光
 客で大賑わいです。 どうも南半球のアングロサクソン系の国の方々のようで、とっても
 陽気ですが、とってもうるさいです。店内は照明を落として薄暗いですが、クラシック
 な雰囲気がしてなかなか味があります。真ん中の長テーブルのところには団体客がいま
 すが、壁際のボックス席?のようなところにはカップルや商談ついでのようなオッサン
 たちが思い思いに食事を楽しんでいます。完全に満席で、スゴイ熱気です。     

 あ、暗くてよく見えませんでしたが、店内の天井には帆船の模型がつるされていました。
 こんな船に乗って商人たちが北海やバルト海を行き来していたんでしょうかね・・・

  これはなんだろう? 船に付けられていたリューベックの紋章なのかな?
  食事をしながら、リューベックの船乗りたちを記念する展示物を楽しむことができる
 のですね。これは考えようによってはお得かも。

  さて、料理をオーダーします。やっぱり北海のヒラメのグリルかな。
 メニューを見るとヒラメ一匹が22.5ユーロ(約3,000円)、川マス(フォレレ)はさらに
 高いとは。ちょっと高いけど、日本でもカワハギを一匹食べたら最低3,000円はするから
 ね、案外妥当かもしれない。

     

  その前に前菜盛り合わせ。近くのハンブルク名物の「コンビーフに目玉焼」が入って
 いました。なんとも妙な組み合わせですが、意外とイケました。ピンボケでスミマセン。

  さぁメインディッシュの北海産ヒラメのグリルです。サクサクした歯ごたえ、中身は
 ふんわり。身は引き締まっていてとても美味しい。刺身にしてもよいかもね。白ワイン
 とあわせて、オッサンは大満足でした。付け合わせのジャガイモまで美味しかった。

  いやぁ、あきらめずに待っていてよかった。本当は予約した方がベターですね。
 帰りにもう一度建物正面を見上げると、帆船の絵が描かれているのに気づきました。

  確かにちょっと値は張りますが、雰囲気も料理も最高です。
  帰りにニーダーエッガーのショウウインドウをもう一回見学しました。(アホ)

  なんだかますます行きたくなってしまいそうです。(アホ²)×(アホ³)。