師走の京都 ➀南座観劇
コロナ感染の状況が日に日に悪化してきて、本日は首都圏1都3県に緊急事態宣言が
再度出てしまいました。この状況では仕方がないと思います。1ヶ月でどこまで改善が
できるのかわかりませんが、できる限り抑制できるように個人レベルでも協力していく
だけですね。放っておくとすぐにフラフラ出歩くオッサンも、しばらくは我慢します。
でも仕事はしないといけないから、外出ゼロという訳にはいきません。これまで以上に
気を付けていくしかありません。
さて気が滅入るばかりではいけませんので、自分としては少しでも楽しいことを記事
にしようと思い、先月の鳥取への旅行の続編である京都編を始めたいと思います。今頃
になって昨年12月の記事というのは、なんとなく違和感を感じる方もいらっしゃると
思いますが、ご容赦ください。
倉吉駅からJR西日本のディーゼル特急「スーパーはくと」号に乗って約3時間半。
午後4時前に京都駅に到着しました。京都駅はイタリアの著名建築家エンツォ・ピアノ
さんが設計した斬新で近代的な建築です。京都のイメージとは全然違うけど、外国人の
観光客もたくさん来るし、まぁいいのかな。内外の観光客が、まず始めに目にする場所
ですから、インパクト重視なのかもしれません。
しかし驚いたことに、コロナの影響で外国人はほぼ皆無。こんな京都はあり得ない。
日本人を含めても観光客がこんなに少ない京都なんて、初めてです。ガラガラやんか。
駅前にある京都タワーは昔から変わっていません。なんかちょっとホッとします。
とりあえず、宿泊ホテルまで急ぎます。なんと観光にも便利な祇園のど真ん中にある
町家を改装したホテルがリーズナブルな値段で予約できました。京都駅からもそんなに
距離がないので、タクシーでホテルまで向かいます。京都のタクシーはかなり安いです。
これ ↓ が宿泊した「京都グランベルホテル」です。ホントに祇園のど真ん中の立地で
ロケーションは抜群。町家の雰囲気を残しながら内部はモダンでおしゃれなホテルです。
フロントの応対はさすがに洗練されています。私の泊る部屋は地下でしたが、地下とは
いっても吹き抜けのようになっていて外光が入るので明るいです。大浴場も地下にあるの
で便利でした。シンプルですがモダンで清潔な部屋でした。
さて、荷物を置いて旅の疲れを癒しに早速大浴場へ向かいます。同じフロアにあるの
で便利です。で、扉をあけたらびっくり。柔らかな照明に照らされた日本庭園を鑑賞し
ながらお湯に浸かることができるようになっていました。浴槽の方もライトアップされ
ていて、ちょっと幻想的な雰囲気。(写真はホテルのHPより)
ひとっ風呂浴びてサッパリした後、町に繰り出します。といっても、この日はホテル
からほど近い、祇園・南座で顔見世歌舞伎を観劇します。
今シーズンはコロナの影響で開催が危ぶまれましたが、期間を短縮(15日間)し、
販売する席を1/2にし、3部構成で役者も観客も総入替えというやり方でなんとか開催
にこぎつけたという状況でした。チケット争奪戦は激しく、人気役者の仁左衛門が登場
する第二部は松竹友の会の会員販売で既に完売でしたので、第三部のチケットを購入し
ておりました。開演は18:40です。
午後6時を過ぎて、ライトアップされた南座に到着しました。京都の師走の風物詩で
ある南座の顔見世大歌舞伎では、このように出演する役者の看板(まねき)が劇場正面
に並べ立てられます。これを見ると、いつもワクワクしてきます。南座の顔見世興行を
観劇するのは何年ぶりかなぁ。関西に居たころ、妻とも何回か行きました。
(無理やり連れていかれたワイ。☹by妻。・・・ま、そう言わんと。
今シーズンの演目です。私が観たのは第三部の二演目。目玉は上方和事の代表作で
ある「廓文章」から吉田屋です。老舗の若旦那と絶世の美女夕霧(遊女)の色恋沙汰
の話です。正直言って、ストーリーはアホみたいで内容のないものですが、ちょっと
コメディタッチでハッピーエンドなところが関西人に受けるのか、昔から人気の演目
となっています。
この芝居の決め手は、なんといっても主役二人の「華」です。羽振りの良い老舗の
若旦那でありながら放蕩がたたって勘当され、紙衣(かみこ)と呼ばれる貧相な服装
で現れる藤家伊左衛門さんを、絶好調の松本幸四郎さんが演じます。
上方和事によく出てくる、ちょっと頼りないけど憎めない色男です。
対するは、吉田屋の看板である美貌の遊女「夕霧」さん。オトコを立てながらも一本
筋の通った気品のある女性を、若手女形のホープの1人中村壱太郎(かずたろう)さん
が演じます。先ごろ亡くなられた坂田藤十郎さん(先代の中村雁治郎)のお孫さんです。
江戸っ子のノリだと、威勢のいい助六と度胸の据わった揚巻、が大人気なのでしょう
が、上方では好みがちょっと違うのですね。よく言えばはんなり、悪く言えば情けない
というか・・・写真はいずれも「演劇界」より借用しました。これと同じ演出でした。
幸四郎さんは、こういうちょっとオトボケ役が意外に合っていますね。壱太郎さんは
数ある若手の女形のなかでもかなりの実力者だと思います。玉三郎の後継者になるか?
改装されたばかりの南座の内部はこんな感じでした。私の席は2階の左側最前列です。
(開演前に撮影しました。)
感染予防のため、客席は前後左右を一つ空けた配置となり、花道の左右3列は空席と
なっていました。
例年より演目数が少なく(時間も短い)あっという間でしたが、楽しく観劇ができま
した。京都まで来た甲斐がありました。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、実はこの南座の顔見世興行のチケット
がGETできたので、旅行の計画を立てたという次第です。鳥取から京都へ・・・
これからしばらく京都編が続きます。
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