Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

3年ぶりのワイン・パーティー・・・その2

  今日は冷たい雨の関東地方南部。帰り道は吐く息が白く、ついに冬が来たという感じ
 です。北海道や北国の方々からすれば、「今頃何を言ってんの?」と思われるかもしれ
 ませんが、今日の寒さは堪えました。今シーズン初めてコートを着て出社しました。
  帰り道、最寄り駅でお迎えの車が並んでいるのを見ますと、自分も昔は妻に「迎えに
 来て~」とよくお願いして、「しゃぁないの~」と言いながらも、妻が必ず早めに来て
 待っていてくれたことを思い出します。もう、あんな日々は二度と来ないと思うとね。
 ・・・おっといきなり脱線していますね。そうそう、もう半分どうでもいいと思っては
 おりますが、先日のワイン・パーティの記事の後半をササッと書いてしまいます。


  白ワインとブルゴーニュの赤ワインを開けていたのですが、この日の客人たちはツワ
 モノぞろいで、予定していたワインがあっという間になくなっていきます。これでは、
 最後まで持たないと思い、途中で何本か追加で栓を抜いてしまいました。


  まずドイツ・フランケン地方の赤ワイン。オッサンが2017年に訪れたヴュルツブルク
 のビュルガー・シュピタールという伝統的な生産者で購入した、ブラウフレンキッシュ
 という日本ではまだあまり馴染みのない品種を使っています。

        

  フランケン地方で最も有名な畑、ヴュルツブルガー・シュタインなのですが、普通は
 リースリングかジルヴァーナーという品種からつくられる白ワインが主体なので、この
 ワインはかなり珍しく、オッサンは日本国内で見たことがありませんでした。(ドイツ
 やオーストリアでは、著名畑と言ってもいろいろな種類の品種が育てられ、違った種類
 のワインが仕込まれることがあります。)要は、ちょっとした「珍品」なのです。
  しかし価格は当時の現地価格で2,500円程度と比較的リーズナブルでしたので、記念
 に購入する気になりました。年号は2015年と新しいのですが、ブラウフレンキッシュと
 いう品種は比較的軽やかなワインになるようで、チャーミングな飲み口でちょうど飲み
 頃でした。渋くなく、やや甘酸っぱい感じがしますが果実味は豊かです。


  そういえば、このワインは当時ヴュルツブルクのこの生産者のショップに併設されて
 いるレストランで食事をしたときにオーダーしたものでした。ちょっと画像がよろしく
 ありませんが、昔に書いた記事を再掲いたします。


  


  その後は、中継ぎ?にオーストリアのシュペートブルグンダー(ブルゴーニュの赤ワ
 インを造るピノ・ノワールのこと)を使った赤ワインを1本。(写真なし)
  これで少し時間を稼いでから?、お待ちかねのボルドーを抜栓します。

    

  今回はかなり地味なものをセレクトしました。右から、メドック地区の格付第二級の
 シャトー・レオヴィル・ポワフェレの2000年(サン=ジュリアン村)です。ボルドーの
 最高峰はメドック第一級格付の4本(シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・
 ラトゥール、シャトー・マルゴー、シャトー・ムートン・ロートシルト)と、例外的に
 メドック地区以外から第一級格付に選ばれたシャトー・オー・ブリオンですが、第二級
 格付ワインはそれらに次ぐ高い評価を(格付された1855年当時は)得ていました。パリ
 万博のハク付け?に考案されたこの格付システムですが、それ以来ムートンの一級昇格

 以外は変更されることはなく、格付された約60本の第一級から第五級までのシャトー・

 ワインは高級ボルドーワインを代表する銘柄として世界に君臨し続けています。・・・

 とはいうものの今や165年が経過していますので、第一級は別格として、二級以下では

 ピンキリがあるということになっています。

  話が長くなってしまいましたが、このレオヴィル・ポワフェレ君は、二級格付にふさ
 わしい力強いワインという評判です。しかし非常に出来の良いと言われる2000年ヴィン
 テージは、あまりに強すぎてまだ開けるのは早すぎました。渋み成分のタンニンが豊富
 で、まだまだ開くまでには時間を要するようです。もう20年以上経過しているのに! 
 色はまだ紫を帯びた濃い赤。香りも味も、まだほぐれていなくてちょっと手ごわい感じ
 です。もちろん品質は高いので、不満はありませんが・・・このワインはリリースされ
 た直後に購入したので5,700円でした。今では市場価格で3万円くらいすると思います。
 (つまり、もう買い直せない・・・)


  真ん中のワインは同じくメドック第二級格付のシャトー・ローザン・セグラ様。実は
 1855年の格付当時は第一級の4銘柄に次ぐ、第二級のトップ・ムートンの次にランクさ

 れて(つまり第6位の)高い評価がありましたが、その後一時評判を落としていました。

 1990年代になってから、あのファッション界の大御所シャネル様が所有することになっ

 て復活し、今では本来の格付の地位にふさわしいものに戻ったと言われています。
  しかしこの1988年はシャネル様に買収される前の、ちょっとダサい時代のものです。
 (シャネル様の所有になってから、ラベルもスタイリッシュなものに変わりました。)
 実は、この日に参加したオッサンの同級生は1988年に社会人になりましたので、その
 記念にと思ってオッサンはこれを選びました。いくらなんでも、もう飲み頃だろうと。
 はい、確かに十分熟成していて香りは開いています。しかし味は、美味しいけれど少々
 ピークを過ぎているかなという感じでした。まぁ、もう34年経過していますからねえ。
 ワインを熟成させて飲み頃に開けて楽しむというのは、なかなか難しいです。それにも
 関わらずワインにハマってしまうオッサンは、ただのアホですな。(そや。by妻)


   最後はボルドーはボルドーでも甘口ワイン。甘口ワインの産地ソーテルヌでは、赤
 ワインのメドック地区とは異なる独自の格付けがあります。このシャトー・スデュロー
 は第一級格付です。・・・というとスゴイワインと思ってしまいますが、ソーテルヌの
 トップワインは「第一特別級」という「特別」なワイン、シャトー・ディケムであり、
 第一級格付のワイン(7~8銘柄あるはず)は、「普通の」第一級ワインという位置づ
 けなのです。価格もイケムは他の第一級ワインの10倍くらいします。このスデュローは
 ソーテルヌの第一級の中ではお値段がお手頃で、一番コスパが良いと思います。
  ということで、2003年のシャトー・スデュローのハーフボトルを開けました。かなり
 熟成していて黄金色の液体は既に茶褐色を帯び始めており、ねっとりとした濃厚な甘さ
 が口の中を覆います。いわゆる「貴腐ワイン」です。ブドウの実に付いたボトリティス・
 シネレアというカビがブドウの水分を蒸発させ、干しブドウ状態となったものを発酵さ
 せて醸造するので、とても甘いお酒になるのですね。そのため普通のワインに比べて、
 生産量が少ない(水分が少ない)ためコストが高いはずですが、やはり甘口ワインでは
 食事と一緒に飲むのは厳しいので世界的にあまり人気がなく、相対的にはリーズナブル
 な価格となっています。(別格のシャトー・ディケムは除く) あ、そうそう、甘口白
 ワインのスゴイところがもう一つあります。それは並外れて長命であることです。凝縮
 した甘さが持ち味のワインなので、辛口の白より長命なのはもちろん、赤ワインよりも
 寿命が長いと言われています。ひょっとしたら人間の寿命よりも長いかもしれません。


  ・・・ということを書いていたら、いつの間にかやっぱり長くなってしまいました。 
 これでは単なるワインヲタクの独りよがりの記事になってしまう。(もう既にその通り
 になっとるで。by妻)
  妻もこういう話をさんざんオッサンから聴かされていたんだよなぁ、きっと。
 (全部聞き流していたから大丈夫や。美味しければえぇんや、ワインは。by妻)


  そうそう、この日の客人はまだ飲み足りず、この後も予備のワインを2本開けた後、
 最後にウィスキーの小瓶を空にしてしまいました・・・飲み過ぎや・・・

    

   これは2019年に英国スコットランドのエディンバラで購入した、有名なアイラの
  ウィスキーです。12年ものですが、気品があるというか格調の高いお酒でした。酒
  好きの同級生♂も、これでようやく満足してくれたようです。やれやれ。


  ※ついでに昔に書いたスコットランドの記事もご参考までに(自慢しとるんか。by妻)
  
   結局6人で、ワインのフルボトルを14本、ハーフを3本、ウイスキーの小瓶1本。
  さすがに飲み過ぎだよなぁ・・・(調子に乗りよって!もう知らんわ。by妻)


  さて、今夜はサッカー・ワールドカップの決勝トーナメント第一戦、日本VSクロア
 チアですね。夜更かしして観戦される方も多いと思います。がんばれ、ニッポン!