Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

大相撲秋場所14日目に行ってきました・・・その3

  もうええ加減にしたらどうや?(by妻)・・・と言う声にめげず、今夜も続けます。
  いよいよ中入り後、幕内の取組です。


  まずはオッサンの贔屓の翠富士関(静岡県焼津市出身)、序盤は星が伸ばせませんで
 したが、中日(8日目)から6連勝。この日も伝家の宝刀「肩透かし」で幕尻で元気の
 ない大翔鵬関を下しました。 

  さらに千秋楽も同じ決まり手で勝ち、終わってみれば10勝5敗の好成績。しかもその
 うち6番が肩透かしでの勝利です。

  翠富士関は「技能賞が欲しい」と言っていたようで、解説の舞の海秀平さんも絶賛し
 ていました。
  「私は技能賞を上げたいと思いますね~。翠富士は肩透かしが決め技だというのは、
 もうどの対戦相手も知っていて、その技を食わないように注意しているわけですよ。
 それなのに、こんなに見事に決めて来るのは、『わかっていても防げない』ということ
 ですからね~。まさに職人技と言えると思いますよ~」、とおっしゃる舞の海さん。
  舞の海さん自身も現役時代は「技のデパート」と呼ばれて、いろいろな技を駆使して
 バラエティに富んだ決まり手で勝利を掴んでいましたが、翠富士関の場合は「肩透かし
 一本」ですからね、舞の海さんが驚嘆するのもわかるなと思いました。


  続いては、琴恵光関と碧山(あおいやま)関の対戦。闘志あふれる、迫力ある相撲に
 なりました。いつもはクールな琴恵光関が、ちょっと熱くなってしまったのかな~

  なんかこう、「取っ組み合い」みたいな激しい攻防で、お互いに張り手を食らわせた
 りして、ヒートアップしてしまいました。お互いに「これ以上負けたくない」という、
 後がない成績でしたので、必死だったのでしょう。結局馬力に勝る碧山関が、琴恵光関
 を土俵際での強烈な逆転の小手投げで、強引にねじ伏せました。

  土俵際まで追い詰めた琴恵光関が、ものの見事にひっくり返されてしまいました。😱


   続いては相撲巧者で人気者の遠藤関と、昨場所新入幕で大きく勝ち越して幕内上位
 に上がってきた、秘かに人気の湘南乃海関の対戦です。遠藤関はCMにも出ているので
 いつも永●園が懸賞金を出していますね。

  いつ見ても遠藤関の四股は美しいよなぁ。体が柔らかいんですね。阿炎関の方が足が
 高く上がるのでカッコいいのですが、遠藤関の方はカッコいいというよりも、美しい。

  この対戦は、体格を生かした湘南乃海関が土俵際で遠藤関を逆転の上手投げで破りま
 した。遠藤関はパワー型の力士にはちょっと分が悪いんだよな~

  そういえば、この取組では「物言い」がつきました。協議の結果、佐渡ケ嶽親方(元
 関脇:先代の琴ノ若)がマイクを握り、結果を説明します。

  只今の協議についてご説明いたします。行司軍配は西方・湘南乃海にあがりましたが、
 遠藤と体と湘南乃海の足が出るのが同時ではないかと物言いがつき(ここで取り直しを
 期待する一部のファンが勇み足で盛り上がります😆)・・・ましたがぁ~(親方、落ち
 着いて!😆)、湘南乃海の足は残っており、行司軍配通り湘南乃海の勝ちと致します。


 ・・・ということで、取り直しにはなりませんでした。ま、今は裏方さんがビデオを見
 て確認していて、それを土俵に上がった審判部長にイヤホンで伝えていますので、まぁ
 ビデオ判定みたいなものですね。なお力士には「リクエスト」の権利はありません😆。 
 (当たり前やん。プロ野球とちゃうで! by妻)
  ちなみに帰宅して録画してあったテレビ映像で確認したら、こんな感じでした。

  しかしこの後、遠藤関は千秋楽に勝って9勝6敗と久々の勝ち越し。一方の湘南乃海
 関は、千秋楽に敗れてくやしい負け越し。しかし初めての幕内上位(五枚目)で7勝は
 立派です。来場所は勝ち越して上を目指してほしいです。


  後半戦に入って2番目の取組は、優勝を占う大一番。ここまで10勝3敗で大関貴景勝
 関と並んでトップの新鋭:熱海富士関と、優勝経験もある実力者:阿炎関の一番です。
  こちらは ↓ 熱海富士関。

   迎え撃つのは阿炎関。 こちらも既に勝ち越しを決めていますが、三役復帰のために、 
 あと1~2番は勝っておきたいところでしょう。 また幕内優勝経験者として、まだ経験
 の浅い若者に簡単に勝たせるわけにはいかない、と思っているはずです。

  この日一番と言っても良い注目の取組に、場内は大歓声に包まれます。

  長身で手足が長く、体が柔らかい阿炎関がいつものように高速回転の突っ張りで来る
 のかと思いましたが、なんと立ち合いで変化をしてきました。突進してきた熱海富士関
 は体をかわされ、勢い余って土俵際まで突んのめってしまいました。どよめく場内。

  しかし、ギリギリ踏みとどまった熱海富士関、逆襲に出てきます。阿炎関ご自慢の?
 激しい突っ張りに一歩も引くことなく、阿炎関を土俵際に追い込んでいきます。再び、
 どよめく場内。動きが激しくて、目が離せません。

  最後は渾身の「がぶり寄り」で阿炎関を寄り切りました。いやぁ、力が入りました~

  これで熱海富士関は11勝3敗。千秋楽に優勝を狙う権利を得ました。
  舞の海さんも「いやぁ、よく(最初のピンチを)残しましたね~」と驚いていました。
  このシーン ↓ です。勢い余って、土俵の外に出てしまいそうなところを、踏ん張って
 残しました。意外に俊敏な動きでした。(失礼な。by妻)


 熱海富士関は入門からまだ3年目で21歳になったばかりなのですが、着実に力をつけて
 きている感じがしました。
  千秋楽では、残念ながら本割で元大関の朝乃山関に完敗し(ちょっと優勝を意識した
 と思われます)、優勝決定戦では大関貴景勝の変化相撲にかわされてあっけなく敗退。
 結局、21歳の若者が賜杯を手にすることはできませんでした・・・
  いい経験をした・・・と思って、来場所に向けて慢心しないで頑張ってほしいです。


  続いては人気者の宇良(うら)関。客席からは女性の黄色い歓声が・・・
 「うらちゃ~ん💓!」と言う声が聞こえましたよ・・・

  相手は昨場所、あと一歩のところで優勝を逃した実力者の北勝富士(ほくとふじ)関。
  仕切り前に、いつもこの瞑想ポーズ ↓ をするので、オッサンはひそかに「哲学者」と
 呼んでおります。😆(アホ)

  宇良ちゃんが得意の低い(低すぎる)立ち合いから、一気に哲学者の体を起こして
 土俵際まで一直線でした。すげえ~。解説の舞の海さんも「北勝富士の立ち合いは、
 別に悪くないんですよ。宇良の立ち合いが低すぎて、これに合わせてもっと低い姿勢
 になると、逆にはたき込まれてしまいますからね。こんな低い体勢で立って崩れない
 足腰の宇良がスゴイということなんですね。」というようなことを仰っていました。


  さて、次なる注目の取組は、悲運の力士?近鉄大阪線、ちゃう高安関。

  対するは小結翔猿(とびざる)関。高安関はこの時点で9勝4敗。まだ優勝の可能性は
 あります。曲者を相手に、なんとか白星を挙げたいところです。

  この一番も動きのある、見ごたえのある相撲になりました。

  しぶとい翔猿関は土俵上を動き回って粘ります。この投げ技にも、こらえました。

  テレビ映像では、上からの画像もあって面白かったです。

  しかし、最後は高安関につかまり、土俵外へ送り出されてしまいました。

  これで高安関は10勝4敗。星一つの差で熱海富士関を追いかけています。しかし千秋
 楽では新大関の霧島関に結びの一番であえなく敗退。またしても優勝のチャンスを逃し
 てしまいました。う~む、もうかける言葉がみつからないぞ・・・(別にオッサンから
 声をかけてもらってもどんならんで。by妻)
  翔猿関は久々の三役・小結で奮闘しましたが、残念ながらこれで負け越しです。また
 出直しとなりました。体が大きくなって、幕内上位には定着できるようになりましたが
 上を目指すにはもうひと踏ん張りが必要なのかもしれません。
   
  続いては人気者の関脇若元春関。ここまで8勝5敗。大関への足掛かりとするには、
 あと2番勝って二けたに載せておきたいところ。相手は、これまた好調の阿武咲(おう
 のしょう)関、既に勝ち越しを決めています。

  頭からぶつかり合う強烈な立ち合いの後、すぐに差し手争いとなります。

  得意の左上手を取った若元春関が、一気に寄り切りで9勝目をあげました。この人も
 相撲がとても巧いですね。足腰がしっかりしていて瞬発力もあるので、得意の型に持ち
 こめば、こんな鮮やかな勝ち方もできるのです。馬力と上背のある力士に負けないよう
 になれば大関も夢ではないかもしれません。


  そしてまだ優勝の可能性がある一人、ここまで9勝4敗の関脇大栄翔関。対するはカド
 番大関の霧島関です。なんとか勝ち越しを決めているものの、大関としては物足りない
 成績の霧島関。一方、先場所での大関昇進はならなかったけれども、今場所を大関への
 足掛かりとしたい大栄翔関。勝ち星を二けたに乗せ、さらに二度目の幕内優勝を達成す
 れば、来場所は大関獲りの場所になるでしょう。さて・・・結果は? 

  強烈なぶちかましで大関をひるませた大栄翔関、休まずに攻め立てます。右上手を
 取ろうとする大関に、それを許しません。

  食い下がる大関を、なんと土俵上で小手投げで投げ捨てます。

  いや、これは完勝だ。どちらが大関かわからないような一番でした。大栄翔、強いな。

  霧島はこれで8勝6敗。大関としては不甲斐ない成績としか言えません。千秋楽には
 高安関の夢を打ち砕いてなんとか9勝目を挙げましたが、さらなる精進が必要です。
  一方の大栄翔関、10勝4敗となって優勝に望みをつなぎましたが、急遽組まれた千秋
 楽の取組で、大関貴景勝とのサバイバルマッチ?に敗れ、ジ・エンドとなりました。
 本当ならば、大関同士の貴景勝対霧島戦が組まれる筈でしたが、審判部の判断で変更と
 なりました。この、霧島に完勝した大栄翔の相撲が、ギリギリで千秋楽の取組を変える
 結果につながったと思われます。(実は、この日の展開を予想して、日本相撲協会では
 千秋楽の取組は14日めの取組が全て終わってから発表することにしていましいた。これ
 は異例のことですが、興行的には優勝に絡む力士を優先して考えた方が盛り上がります
 からね・・・)
  
  そして、14日目の結びの一番は大関対決。新大関ですがここまで6勝7敗と、霧島関
 以上に不甲斐ない成績の豊昇龍関と、10勝3敗で熱海富士関と並んでトップに立って
 いる貴景勝関の対戦です。豊昇龍関は、負けると「新大関で負け越し」という不名誉な
 状況に陥ります。だって「なんでそんなヤツを大関にしたんだ?」と、問われることに
 なってしまうからです。つまり、なんとしても勝たなければならないということです。

  一方の貴景勝関。4度目の優勝に手がかかるところまで来ました。勝って、トップの
 地位を守りたいところでした。

  この一番も、かなりいい取り組みになりました。

  貴景勝関の激しい突き押しに、豊昇龍関は土俵際に追い詰められます。

  しかし相撲巧者の豊昇龍関、土俵際で体を入れ替え、勢い余った?貴景勝関をものの
 見事に上手投げで破りました。しかし、キレイに決まってしまいましたね~

  うん、この日の取組はなかなか面白かった。結びの一番で本命の貴景勝関が敗れたた
 め、3敗の熱海富士関が単独トップ。星一つ差の4敗で大関貴景勝関、関脇大栄翔関、
 そして平幕の高安関とダークホースの北青鵬(ほくせいほう)の4人が追いかける展開
 となりました。熱海富士関が敗れると、確実に優勝決定戦になるので、千秋楽も盛り上
 がることでしょう。・・・って、もう終わっていますけれどね。😆(アホ)

  長々と相撲観戦記事を書いてしまいましたが、いつも通りオッサンの独断と偏見が
 入っておりますので、ご容赦願います。😆 (そんなら、書くなよ。by妻)


  ちなみに、結局優勝したのは貴景勝関。4度目の賜杯獲得となりました。
  本割では物凄い迫力の相撲で大栄翔関に貫録勝ちしたのですが、その後の熱海富士関
 との優勝決定戦では変化相撲で勝つという、ちょっと拍子抜けの一番となりました。
  しかし優勝インタビューでは、素直に熱海富士の実力を認め、そのうえで「自分が壁
 になる」という覚悟を話していました。(変化してでも絶対に勝つということを教えて
 いたのかもしれません。) そして、横綱を目指す熱い思いも明らかにしていました。
 そうですね、日本人横綱が稀勢の里以来、出ていませんからね。今場所の優勝は11勝と
 いうことで星勘定は良くないですが、来場所優勝して二場所連続優勝なら(ただしその
 前が負け越しているのですが)声がかかるでしょう。来場所が見ものです。
  
  15日間、満員御礼が続いた秋場所は無事終わりました。この後は今年最後の場所、
 福岡での九州場所です。一年の総決算、誰が賜杯を手にするでしょうか。その結果、
 横綱、大関が誕生する可能性があるでしょうか・・・また楽しみです。

  では、これにて終了いたします。長々とお付き合い頂き有難うございました。