2015年GW フランス・ドイツの旅⑧ 印象派の殿堂 その4
もうしばらくオルセーの記事が続きそうです。興味のない方にはスミマセン。
さて、オルセーの展示は一階と二階の側廊がメインとなっていますが、絵画だけだと
飽きてきますので、今回はちょっと変化を付けたいと思います。
印象派(および同時代)の画家たちのコーナーのなかで、彼らの手になる彫刻もあり
ました。有名どころでは、印象派というより武闘派(失礼)、江戸川ちゃうエドガー・
ドガさん。彼はオペラ座のオーケストラや踊り子たちを描いた、都会派の芸術家です。
しかし、とにかく口が悪く、妥協を知らないために仲間の芸術家と言い争う、過激派と
いうべき存在でした。「印象派展に参加したいなら、サロン(官展)には出品するな」
という態度に代表されるように、極端な性向ゆえに温厚なモネさんたちとはそりが合い
ませんでした。カイユボットさんも辟易していましたし、同世代のマネさんとは、何度
か罵り合いをしていたようです。(でもドガはマネさんには好意的だったようですが)
そんな鬱陶しいオッサンですが、彼の手になる絵画や彫刻は実に素晴らしいです。
それではドガさんの彫刻「14歳の小さな踊り子(1932年)」をご覧ください。ドガ
さんは大変長生きされたのですが、この作品は視力が衰えた後の晩年の作だそうです。
ちなみに彼の代表的な絵画は、この ↓「オペラ座のオーケストラ(1870年)」です。
当時流行した最先端の写真技術のように、世俗の営みをスナップショットのように表現
しています。オーケストラピットの中の奏者にスポットを当て、舞台の踊子は部分的に
しか描かれていませんね。こんな絵画はこの当時は存在しませんでした。
このほか、印象派と同時代の彫刻家の作品は、主に一階(フランスでは0階)フロア
に展示されていました。オルセー駅のプラットホームがあったところですね。まぁ彫刻
は結構大きいですし、場所を取りますからね。例えばこんな ↓ 作品。
著名な彫刻家ジャン=パティスト・カルポーの「ダンス(1869年)」です。躍動的で
イキイキとしていますね。なんだか楽しそう。
この作品はかつてパリのオペラ座の正面を飾っていたそうです。(現在のオペラ座に
あるのはコピー作品です。)芸術のもたらすエネルギーを表現していたのでしょうね。
そして彫刻家と言えばこの人、オーギュスト・ロダン。いくつかの作品がありました
が、インパクトのあるこの「歩く男(1907年)」をご紹介します。首から下のトルソに
足がついたような、なんとも異様な作品ですが、地に足がついた?どっしりした感じが
します。なにかものすごいエネルギーがみなぎっているように思います。気のせいかな?
それとは対照的に、女性的な滑らかさを感じる作品。アリスティド・マイヨールの
「地中海(1927年)」です。何か考え事をしていますね。うーん、何だったかしら?
もう一つ、個性的な作品を。
エミール=アントワーヌ・ブールデルさんの「弓矢を射るヘラクレス(1909年)」
です。これまたパワーが凝縮された感じで緊張感がみなぎっていますね。しかし、なん
ちゅう格好や・・・パンツ穿けっていいたくなりますね。アホかいな(by妻)。
最後に、ほのぼの系の作品を。フランソワ・ポンポンさんの「シロクマ(1933年)」
です。アイスじゃないよ。(鹿児島の人しか分からんギャグ矢野。by妻)
なんだか面白いですね。彫刻は立体的なので見る位置によって変化があって、作品の
周りをぐるりと一周してみたくなります。
1階(フランスでは0階、グラウンド・フロア)に下りてきましたので、次はここに
ある絵画を鑑賞します。印象派の少し前の時代の作品です。・・・また明日です。
(ケチやな・・・by妻)
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