Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2015年GW フランス・ドイツの旅 ⑰ ブルゴーニュ・ワインツアー その3 オスピス・ド・ボーヌ

   大相撲は予想通り朝乃山が謹慎で休場。処分はこれからですが、おそらく5場所程
  出場停止で幕下まで落ちるでしょう。初心に返ってやり直せるかどうかですね。
   その影響で急遽組まれた結びの一番で、なんと大関貴景勝が平幕の実力者、遠藤関
 (永谷園のコマーシャルによく出ていた力士)に敗れるという大波乱が起きました。
  明日はトップを走る大関照ノ富士と遠藤の一番で、今場所の優勝が決まると思われま
  す。朝乃山の代役で大関陣と当たることになってしまった遠藤、頑張って土俵を盛り
  上げてください。照ノ富士関も、ここで優勝すれば来場所は夢の横綱へチャレンジの
  場所となります。要注目です。 
   
   一方、今夜はプロ野球の阪神VS広島戦が中止。広島カープの主力選手がコロナ陽性
  となり、なんと週末の3連戦が中止です。あぁ、週末の楽しみがなくなってしまった。
  野球選手はキャバクラなんて行っていないよね・・・


   仕方がないので気を取り直して、昔の記事を続けます。(ちょっと忘れかけてきた)
  ワインの街ボーヌの観光名所オスピス・ド・ボーヌの内部見学に参ります。

 

   建物内部に入ると、メイン・ホール(貧者たちの広間)には、かつてのように病人
 を収容して看護したベッドがずらりと並んでいます。壮観です。

 


  このように、当時の介護の様子を再現した展示がありました。当時としては画期的な
 システムだったと思われます。看病してくださる修道女の表情がなんだかコワイですが。

       

 
  ホールには祭壇もあり、宗教絵画が飾られています。あくまでも、ここで治療(介護)
 を受けられるのはキリスト教の神のお蔭ということになっておりますのでね。


  そのほか当時の最先端の技術で調合された薬剤を保管する薬局や、病人の世話をする
 修道女の方々が働く厨房などが再現展示されていました。ピンボケが酷くてスミマセン。

  


  しかしオスピス・ド・ボーヌの果たした役割はこれだけではありません。なぜか宗教
 が絡むと、そこには富とすぐれた芸術品が集まってくるのですよね。
  15世紀当時のヨーロッパでは大国であったブルゴーニュ公国の宮廷には、優れた芸術
 家が集まっていたのでしょう。
  このタペストリー(部分)↓ は「千々の花」と呼ばれる美しいもので、パリのクリュ
 ニー美術館にある中世を代表するタペストリー絵画「貴婦人と一角獣」を真似て制作さ
 れたものだそうです。クリュニーのタペストリーは鮮やかな赤ですが、こちらは青味を
 帯びた落ち着いた色です。聖母子のそばにいるウサギがカワユイですね。

  そしてオスピス・ド・ボーヌの至宝ともいうべき最大の見どころは、15世紀のフラン
 ドル地方(ベルギー北部)の画家ロヒール・ファン・デル・ウェイデンの巨大な祭壇画
 「最後の審判」です。まぁ見てください。かなり大きな祭壇画です。

  少し拡大するとこんな ↓ 感じです。中央に君臨するキリストは、人間を裁く神のよう
 に描かれ、上側には信心深い人たちが死後天国に導かれ、下側には信仰心の足りない?
 罪深き人たちが地獄に落ちていくところが描かれています。テーマはだいたい同じです
 が、それを表現する優れた画家たちの技量は素晴らしいものがあります。 

  まだ中世といってもいい15世紀当時の一般庶民は、このような絵を見たら恐れをなし、
 神を信じることに迷いを感じなくなっていったことでしょう。ましてやここに収容され
 た病人は、当然「自分の死」を強く意識していたでしょうから、この絵の与えるインパ
 クトは絶大。誰もが敬虔な信者になっていったことでしょう。(ホンマけ?by妻)
 まぁとにかくキリスト教の振興には、こうした優れた芸術家の描いた絵が果たした力も
 大きいと思います。
  なおこの祭壇画は、非常に細部まできっちりと描かれていて、それを見られるように
 大きなレンズが準備されていました。ハズキルーペじゃないですよ。(アホ)


  この祭壇画を畳むと、このような ↓ 形で別の絵が描かれています。寄進者夫妻かな?
 なんと、このオスピス・ド・ボーヌの創設者、二コラ・ロランさんとその妻ギゴーヌ・
 ド・サランさんだそうです。この絵も二コラ・ロランさんが描かせたようです。当時、
 フランドル地方はブルゴーニュ公国の一部であり、その宰相ですから力があったので
 しょうね。報酬もはずんでくれたのかもしれません。


  さぁそうこうしているうちに午前10:00が近づきましたので、観光はひとまず終了。
 先ほど車を停めたノートル・ダム寺院の前まで急いで戻ります。そうそう、ボーヌで
 ツアーに合流する若いカップルは、先ほどオスピス・ド・ボーヌを見学していました。
 彼らは先に待ち合わせ場所に集合していました。私らも昔はこんな感じだったかな?
 (もうオッサンなんやからしゃあないやろ・・・by妻)
  後はもう一組のグループの方たちをホテル(城壁内にある名門のル・セップ)の前で
 ピックアップします。羽振りの良さそうな中年の男女5人組です。どうやらお医者さん
 の一族っていう感じです。オッサン3人+おばさま2人。これでツアー客の8人が揃い
 ました。これからはいよいよブルゴーニュの畑と生産者めぐりに出かけます。
  ゴメンナサイ、また続きます。