Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2015年GW フランス・ドイツの旅 ㉔ しつこく葡萄畑を散策

  ちょっと目を離していた隙に?プロ野球は交流戦(セ・リーグのチームとパ・リーグ
 のチームが戦うシリーズ)が始まっていました。ここが最初の山姥ちゃう、山場です。
 予想外の好調でセ・リーグ首位を走る我らが阪神タイガース、この最初の試練を無事に
 乗り越え好調を維持できるかどうかがポイントです。
  ハイ、危惧した通りの展開でした。ロッテ相手にひとつ勝つのが精一杯。終盤に勝ち
 パターンの投手が全員失点してしまった挙句の逆転負けが二試合。こりゃキツイッす。
 まぁまだ始まったばかり、早めに軌道修正して乗り切ってほしいです。


  さてブルゴーニュの旅行記の続きに参ります。
  ブルゴーニュワインの名産地コート・ド・ニュイ地区の地味な村、モレ・サン=ドニ
 村のオーベルジュ(レストラン・ホテル)に一泊し、翌朝早めに目が覚めました。
 ・・・雨の音で・・・かなり強く降っています。うわぁせっかくホテル近くの葡萄畑を
 観に行こうと思ってたのにぃ・・・(日頃の行いが悪いせいやな。by妻)
  でも、オッサンは「行くといったら行く」人です。(ホンマにアンタの相手をするの
 には、いっつも難儀したわ。by妻)コンチネンタルブレックファスト(パンとコーヒー)
 を済ませた後、畑見学に出かけます。お、ちょっと小降りになってきましたのでホテル
 の前でパンダ君と記念撮影です。(アホ)



  さて、ここで宿泊ホテルのあるモレ・サン=ドニ村の畑の地図を見てみましょう。
 この村はこれまで何度も通ってきた、葡萄畑を貫いて南北に走るルート・デ・グラン
 ・クリュ(特級畑街道)が村の中心部を貫いています。(地図上では真ん中あたりを
 左右に通っている道路です。)そして、文字通りその特級畑街道に沿った斜面の部分
 に特級畑(グラン・クリュ)が帯状に位置しています。
  さらに、北側(地図上では右側)にはジュヴレ村の特級畑シャンベルタンが続き、

 南側(地図上では左側)にもシャンボル村の特級畑ボンヌ・マールに続きます。 

  そして宿泊ホテル「カステル・ド・トレ・ジラール」は、地図上の左下側、オレンジ
 色で塗られた1級畑の”Les Sorbe"の東(下)にある四角い白部分の中に灰色で示された
 ところにあります。その下にある黄色(薄いオレンジ色)の部分が「トレ・ジラール」
 という名前の村名格付け葡萄畑です。つまり1級畑と村名畑に囲まれた場所ですね。
 まさしく葡萄畑のど真ん中にあるということです。(この敷地内にプールもあるみたい)
 
  さてオーベルジュ・カステル・ド・トレ・ジラールを出て西側(斜面の方、地図では
 上方向)に歩いていくと、モレ・サン=ドニ村の小さな集落があり、質素な民家が密集
 しています。こんな ↓ 感じで、ちょっとのどかというかなんというか・・・


  しかしその一見「質素な民家」の間に、ちょっとだけ門構えが立派で目立つ家がポツ
 ポツとあります。表札を見ると、世界的に有名なワイン生産者(ドメーヌ)の家だった
 りします。うわぁ、こんなところにあるんかい。


  その代表格が、日本でもアメリカでも大人気の「ドメーヌ・デュジャーク」様です。
 朝早くなので門は固く閉じられていますが、ここは一般人の訪問は受け入れていません。
 まぁ著名ドメーヌのほとんどがそうなのですが。もし、ここが訪問可能で(有料でも)
 試飲をさせてくれるなら、絶対に立ち寄っていますよ、オッサンは。


  そしてその近くには、これもまた有名なドメーヌ・ユベール・リニエさんのオタク、
 ちゃうお宅がありました。表札には”Viticulteur"(農家)と誇らしげに掲げています。
 


  そして集落の間の道をさらに進み、「ルート・デ・グラン・クリュ」にぶつかる交差
 点に着くと、ちょっとした広場に出ます。左手前には村の教会。何かあれば村中の方々
 がここに集まるのでしょう。そして、ルート・デ・グラン・クリュに面したところには
 ちょっと気になる建物が見えます。(下の写真の右手側)


  これこそ、モレ・サン=ドニ村の最高のワイン(テート・ド・キュヴェ)と言われる
 特級畑「クロ・ド・タール」を所有する生産者の館です。なんでパンダがおるんや・・・


 
  はい、ルート・デ・グラン・クリュ(特級畑街道)の真ん前に、立ちはだかるような
 高い壁が聳えていますね。いかにも由緒ある建物と言う感じです。この建物の裏側に、
 斜面に沿った見事な葡萄畑があるのですが、ここを素通りするだけの一般人には目にす
 ることができません。ケチ!
  この畑の歴史は12世紀のベネディクト派修道院(の修道僧)が開墾して以来、優れた
 立地条件から優れた葡萄・ワインを生むことで知られ、現代に至るまで一度も分割され
 ずに保たれてきたという、まぎれもなく由緒正しい銘醸畑だそうです。しかし、なぜか
 世間的な知名度は必ずしもよくありませんね。ロマネ・コンティのようには王侯貴族の
 注目を浴びず、近年まではあまり商業的に成功してこなかったためなのかなと思います。
 しかし、壁に彫り込まれた "Clos de Tart" の大きな看板?は、自信満々に見えますね。
 ここも当然一般には解放されていません。この畑もロマネ・コンティ同様、単独所有畑
 (モノポール)です。つまり1種類のワインしか存在しません。つい最近までは3万円
 くらい出せば購入可能でしたが、今の市場価格では6~7万円まで値上がりしています。
 もうこれも手が届かないですね・・・(そんなのばっかりやのう。by妻)


  畑の面積は7.5ヘクタール。濃縮されて長熟型の荘厳なワインだという事です。私は
 飲んだことがありませんので、信じるしかありません。確かにラベル(エチケット)は
 荘厳なイメージです。モノポール(単独所有畑)ってやっぱり強調していますね。 


 
  このクロ・ド・タールの隣にはまた立派な家がありました。表札を見ると、やっぱり
 ここも有名な生産者の邸宅でした。「ドメーヌ・ロベール・グロフィエ」さんでした。


  ここがモレ・サン=ドニ村の村はずれで、ここから南側(先ほどの地図では左側)が
 隣村のシャンボル・ミュジニ村です。もうおわかりですね、特級畑「ミュジニ」の名前
 にあやかった村なのです。勢い余って?、シャンボル村まで散歩を続けます。しかし、
 この時から再び雨が激しくなってきました。それでも、行くのがオッサン。(アホ)


  実はクロ・ド・タールのすぐ隣が、もう次の特級畑です。「ボンヌ・マール」です。
   ボンヌ・マールの畑は斜面に沿って波打つようになだらかに広がっています。斜面の
 上部には岩盤が露出したところがあり、そこに ”Les Bonnes Mares" の表記がありまし
 た。どうせなら道路に沿った人目に付きやすいところに出せば宣伝効果があるのに。


  はい、パンダ君と記念撮影です。なんとなく得意げですね。なぜでしょう?

       

  
  さて、シャンボル村に入ってきましたので、今度はシャンボル村の地図です。

  
  右上の赤紫色の広大な畑が、先程見てきた特級畑ボンヌ・マールです。その右がモレ
 ・サン=ドニ村の特級畑クロ・ド・タールです。ボンヌ・マールはクロ・ド・タールの
 2倍ほどの広さで、クロ・ド・タールが単独所有畑なのに対し、ボンヌ・マールには数
 多くの生産者がいます。つまり、ボンヌ・マールという名前のワインはいろいろな生産
 者が造っているものが市場に出る、ということです。私の敬愛するボーヌのネゴシアン、
 ジョゼフ・ドルーアン様も、このボンヌ・マールに一部畑を所有していて、ボーヌの街
 のワインショップ・ドニ・ペレにそのワインがありましたが、高価ゆえに購入を断念し
 ました(ボーヌの街編の記事を参照ください)。
  ボンヌ・マールの有名な所有者の1人、コント(伯爵)・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ
 さんの所有する畑は、立派な門と石垣で囲われているのでワインオタクの撮影スポット
 になっております。オッサンも記念に写真を撮りました。一番南端にありました。 

  雨の中、パンダ君たちの写真も取りました。(そこまでせんでええやろう・・・by妻)

  私も過去に一度だけ購入して飲んだことがありますが、ヴォギュエさんのボンヌ・マ
 ールのラベル写真も参考までに。ここも大人気で、今の価格は約8~9万円。オッサン
 のお買い物リストからは既に抹消されております。(そんなのばっかりやろ。by妻)
 


  ボンヌ・マールの畑からもう少し南側(地図上の左へ)歩くと、シャンボル村の集落
 に行く事ができます。さぁ、どんどん行ってみよう。 
  しかし、地図で見ると近いようですが、結構遠かった。♪ 歩いても~歩いても~♪ って
 いしだあゆみさんじゃないですから。(古過ぎ) でも本当に遠かった。雨だったし。
 ボンヌ・マールも広大な面積(約15ヘクタール)がありますが、その隣の優れた1級畑
 のレ・フュエとレ・クラもかなり広いので、集落にたどり着くまで20分ほど歩きました。
 上の地図の真ん中上部、灰色の帯のところがシャンボル村の集落です。人口は300人。


  これはシャンボル村の村役場みたいですね・・・(違っていたらゴメンナサイ)

  シャンボル村の看板が出ています。ルート・デ・グラン・クリュはこの村も貫通して
 います。というか、私はこのルート・デ・グラン・クリュをてくてく歩いてきました。


  なぜ、こんなところ(失礼)まで、エッチラオッチラ歩いてきたんや、オッサン?

 それは、この村の世界的な生産者(ドメーヌ)を一目見たいと思ったからです。 

  うわぁ、壮麗なお屋敷がありました。はい、あっさり発見しました。
 ここはシャトー・ド・シャンボル・ミュジニと通称される、この村の名門生産者の一つ、
 ドメーヌ・ジャック=フレデリック・ミュニエ(舌嚙みそう)さんのお屋敷です。


  豊満で甘さを感じる造りをするそうですが、比較的エレガント系だとも言われていま
 す。いずれにせよ私は飲んだことがありませんので、何とも言えません。

     


   そして最後の大物。日本人のブルゴーニュ・ワイン愛好家が最も好きな生産者かも
  しれない超人気ドメーヌ、ジョルジュ・ルーミエさんです。なんとミュニエさんのお
  館の隣でした。しかし対照的に質素で慎ましいお宅です。
   ちょうど家の前庭の地下を掘り下げて地下セラーを拡充する工事を行っているため
  かなり雑然としています。しかしこんな質素な家で、あの世界中のワインオタクども
  が血眼になって探し求めるワインが造られているとは・・・意外です。たぶん儲ける
  ことにはあまり関心がなく、自分の造りたいワインを誠実に造り続けている方なので
  しょう。そのことがまた多くのファンを生んでいる理由かもしれません。


  優秀で控えめなオーナー生産者、クリストフ・ルーミエさんに会えないかなぁなんて
 思いましたが、この雨の降る朝8時では無理ですね。新聞を取りに来たりしないかな?
 なんて思ったけど、フランスでは新聞配達はしとらんよね・・・
  ここまで書いていてふと思いましたが、これってほぼストーカーですね。ワイン生産
 者のなかのスターを追っかけている感じ。(その通りやで。かなりヘンタイや。by妻)


  では、ジョルジュ・ルーミエさんのボンヌ・マールの写真を参考までに・・・

    


  この後、シャンボル村の真の特級畑のミュジニ(村の写真の一番左側)まで行きた
 かったのですが、たぶん片道30分は歩くことになると思われたので断念しました。
 この後モレの村に戻り、荷物を片づけて10時には出発しなければならないので、少し
 時間が心配でしたので。ミュジニさん、またいつか来るよ・・・(せいぜい頑張りや)


  実は先ほど挙げた3つの生産者、ヴォギュエさん、ミュニエさん、ルーミエさんが
 特級畑ミュジニの三大生産者と言われています。特に生産量の多い(全体の70%弱の
 畑を所有)ヴォギュエさんのワイン以外は、見ることも稀な幻のワインです。


 ・・・なんだか自分が入手できないワインの生産者・畑ばっかり見ている感じ・・・
 叶わない夢を追い求めているということかな。
  今回もちょっと(いやかなり)イカレた記事になってしまいスミマセン。
  でも、まだ続くのです・・・