Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2019夏:英国 ㉒レイコック・アビー

   バスの時間まであまり時間がないので、せっかくクリーム・ティーセットを頼んだ
  のに、慌てて紅茶を飲んでスコーンを食べて、30分も経たずに出てきてしまいました。
  妻と一緒にいたら、「ゆっくりお茶もできへんやん」と苦情を言われた筈です(笑)。
   なのに、カースル・クームからチッペナムに戻るバスは案の定少々遅れて来ました。
  その遅れを取り戻そうと?、運転手さんがかなり飛ばします。これ、日本だったら
  あかんのちゃうかというくらいの荒っぽい運転です。乗客のおばあさんが、座席から
  転げ落ちそうな感じです。転げ落ちなかったけど。
   その甲斐あってか、ほぼ遅れを取り戻してチッペナムのバスターミナルに無事到着。
  そこで乗り換えて、次の目的地レイコックに向かいます。レイコックを通る路線は、
  ほぼ1時間に一本バスがあるので安心です。午後1時半のバスに乗って、今度は反対
  方向へ走ること約15分。今度はすんなりとレイコックの村に到着しました。
  
   レイコックは地域全体を景観保護団体ナショナルトラストが所有・運営している村
  だそうです。古くはアビーを始め13世紀に築かれた建物が幾つもあり、比較的新しい
  家でも18世紀という中世の街並みが見事に保存されています。カースル・クームより
  大きな村で、交通量も多く観光客の姿も目立ちます。

 


   しかし、ここにもバス停近くに観光案内所はなく、荷物を預かってくれるところは
  ありません。仕方なくスーツケースを引きずりながら、この村最大の見どころである
  レイコック・アビー(修道院)に向かいます。(スーツケースを軽くて転がしやすい
  ものに買い替えておいてよかった・・・) 
   小さな村の商店街?を通り過ぎて歩くこと約5~6分。アビー入口の受付は博物館
  と売店のある建物内にあり、アビー見学の間は荷物を無料で預かってくれるとの事。
  助かりましたぁ、有難うございます。受付のおば様の顔が女神様のように見えました。
   この ↑ 奥の木の茂ったところがアビーの入口です。右側のレンガ色の建物は、この
  村を代表するホテル・レッド・ライオンです。時間があればここに宿泊してアビーを
  じっくり見学して、レイコックの村でのんびりゆっくりするのもいいですね。しかし
  私のこの村の滞在時間は約1時間です。バスに乗り遅れると後の予定が狂いますので
  心を鬼にして(意味不明やん、by妻)すぐに小走りでアビー見学に向かいます。
  受付からアビーまでは、庭園のようになったところを通って、少々歩いていきます。
 右手にはアビーの前の草原で、ヒツジがのんびりと草を食む牧歌的な風景が広がって
 いました。アビーはこの小さな村には不釣り合いなほど、大きくて堂々たる建物です。

  入口からアビーの建物前までたっぷり5分は歩きました。残りあと50分少々。
 なんだかタイムトライアルのオリエンテーリングみたいな感じ・・・   

  ようやく着いたと思ったら、建物の入口は反対側とのこと。急いでいると言っていた
 くせに、こんな ↓ 写真を撮っているアホなオッサン。

  大きな建物なので、反対側に廻るだけでも結構時間がかかりました。
 ここは元々有名な観光名所でしたが、あのハリー・ポッターの撮影に使われたことで
 さらに世界的にも名が知られるようになったそうです。確かに魔法学校ホグワーツの
 雰囲気をちょっと感じられます。きっと、うちの妻が行きたかったと思います。

  早速中に入りますと、回廊で囲まれた広い中庭が目に入ります。いかにも修道院の
 回廊という感じで列柱が建ち並ぶ厳かな雰囲気です。確かに、ここはハリポタのDVD
 で見たような気がします。ハリーと魔法学校の人たちがここで、やいのやいのと言い
 合って?いたような記憶があります。そんな雰囲気がありますよね!

 

  外観はかなり歴史を感じさせます。ここをロケ地に選んだスタッフは凄いね。
  由緒ある修道院なのでしょう。

  しばらく中庭と回廊をゆっくり見学した後、二階にある展示を見学します。
  修道院というと、慎ましい生活というイメージを抱きがちですが、イタリアをはじめ 
 私が見学した修道院というのはどこも例外なく、かなり贅沢品が溢れていました。英国
 ではあのヘンリー8世(別名ブラゼル、しつこい。by妻)が修道院解散令を出したため、
 早々に宗教的な役割を終えて貴族の館などに転用されたと思われますので、ここで暮ら
 した貴族も遠慮なく?贅沢三昧ができたのではないかと思います(想像)。 
  カトリックの修道院ほど宝飾品や豪華な服飾品、インテリアではありませんでしたが、
 審美眼のある貴族が集めたものですから豪奢ではなくても一級品なのでしょう。骨董品
 やインテリアがお好きな方は、じっくり見学したくなると思います。
  室内の写真はピンボケが多くて、見にくくてスミマセン。

  昔は教会や修道院が知識・情報を独占していました。いわくありげな蔵書がたくさん
 ありますね。(私が見学した中でこれまでで一番凄かったのは、オーストリアのメルク

 修道院ですが、ここはローカル貴族の書斎と言った感じでかなり控えめですね。)

  大広間はこんな感じです。

  約40分ほどの駆け足で、アビー見学を終えました。一つ一つを丹念に見るには最低
 でも一時間は必要かなと思いました。
  さぁバスの時間が迫っています。写真家フォックス・タルボットを記念した博物館
 (アビーの入口のある場所)や聖シリアク教会というこの村のメイン教会を見たり、
 お土産を売る店を覗いたりしたかったのですが、残念ながらタイムオーバーです。
 荷物をピックアップして、バス停まで急いで戻ります。

  再びチッペナムまで戻り、いよいよロンドンに向かいます。
  数日前、すったもんだしていたのが、たった数日前なのにはるか以前のことのような
 感じがしてきました。旅行もいよいよ最終局面、第三コーナーを回りました。あとは、
 直線勝負です(なんのこっちゃ? by妻)。ということで、やっぱり続きます。