Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2015年GW フランス・ドイツの旅 ⑳ブルゴーニュ・ワインツアー その6 ジョゼフ・ドルーアンのカーヴへ

  もうフランス・ドイツの旅も20回目の記事か。まだ2日目の午後に入ったばかりです
 けど・・・(いい加減にピッチあげんと、100回まで行くんちゃうか?by妻) いや、
 100回は行きませんけど、心配なので少し急ぎます。


  さて、お昼ごはんをボーヌのビストロ・ワインバーで取ってから、30分弱の残り時間
 をボーヌの街観光に使います。先ほどワインショップのドニ・ペレがあったところが、
 街の中心カルノ広場です。観光客向けのカフェやレストラン、お土産物屋などが並んで
 賑やかです。もうちょっと時間があればなぁ・・・(無理やろ、アンタにゃ。by妻)


  最近話題のワインショップ、メ・ブルゴーニュがありました。ここは「カヴィスト」
 と表記がある通り、ワインを仕入れた後、飲みごろになるまで店舗の地下セラーで熟成
 させ、飲み頃になってから販売するという、実に良心的な(価格は良心的かどうかは
 不明ですが)ショップなのです。日本でも人気の一流生産者の飲み頃ワインが見つか
 るかもしれません。でも時間がないので外観の写真だけ。次回は絶対に行くぞ! 
 (次はいつになるか分からんけどなぁ・・・by妻)


 
  さぁ残り15分。待ち合わせ場所のノートル・ダム寺院(教会)の見学に参ります。
 (え?15分?by妻。)

  この教会は12世紀半ばに建設され、13世紀から16世紀にチャペルが追加、19世紀に
 なって修復が行われたそうです。歴史的な建造物として価値が高い、ゴシックの様式の
 厳かな雰囲気の教会です。
  中に入ると、ゴシック様式らしく天井が高く、正面の祭壇が厳粛な雰囲気です。
 おや?祭壇の左手前に見える黒っぽいものはなんでしょう?

     

  はい、これはノートル・ダム教会の目玉の一つ「黒い聖母マリア像」です。このタイ
 プの黒いマリア像って、スペインとか南仏に多いですね。地中海を挟んでアフリカ大陸
 と向き合う土地柄でしょうか?黒い聖母子像は、防犯のためかガラスケースの中に鎮座
 していました。足元に捧げられたキャンドルが美しいですね。
 (でもピンボケやん、この写真も・・・by妻。スミマセン・・・) 

    


  また堂内には、聖母マリアの生涯を描いたと言われている12枚のタペストリーが飾ら
 れています。大変細やかな描写と美しい色使いで、この教会を代表する芸術品です。


  うわ、もう制限時間一杯(相撲かい!by妻)。待ち合わせ場所に戻ります。
 もうガイドさんも皆さんもお揃いでした。スミマセン、遅刻ではないですがなんとなく
 申し訳ない感じ。
  でも心配ご無用。次の訪問先は、実はこのノートルダム教会に面した広場の脇にある
 のです。そこは・・・

  そうです、私が敬愛してやまないブルゴーニュきっての高名ネゴシアン(ワインメー
 カー)のジョゼフ・ドルーアン様のカーヴです。ボーヌの町中にあるのですね。ここは 
 私がガイドさんにリクエストしていて、絶対に外さないで欲しいと言っていたのです。
 午後2時に予約して、カーヴの見学と有料試飲を申し込んで頂いています。カップルと
 中年のグループの皆さんも、ここは私に付き合って頂く事になります。


  中に入ると、昔のワイン造りに使っていた道具を展示したスペースがありました。
 当然今は使っていないので「資料的価値」しかないのですが、なかなか面白いです。
 ここでは簡単なテイスティングもできるようです。しかし写真はかなりピンボケでスミ
 マセン。緊張してたのかな、オッサンは。


  続いて広報の方に案内されて地下のカーヴに向かいます。天井が低くて狭い通路には
 ワインの樽が一杯ならんでいます。ゴロゴロ並んでいます。いったいどんだけあるんや
 というくらいたくさん並んでいます。見ると、ジョゼフ・ドルーアン様の看板ともいう
 べき銘醸畑、ボーヌの1級畑「クロ・デ・ムーシュ」のワインが入った樽のようです。
 おー、スゲェです。ブルゴーニュワインは木製の樽で1年ほど熟成してから瓶詰します
 ので、毎年ワインが入れ替わる事になります。

     

  ズラリと並んだ樽。これは展示用かもしれませんね・・・

  カーヴの中は気温が低くてひんやりしていますが、湿度も高いため長期間ここで熟成
 させているとびっしりとカビが付着します。どのくらい保存しているのでしょうか?
 棚にはワイン名と年号が書かれています。数十年前の古いヴィンテージや、第二次世界
 対戦前の歴史的ヴィンテージもありました。買ったらいくらするんだろうか?


  そしてお楽しみの試飲は、地下カーヴの中で行われました。うわぁ、楽しみです。
 広報のお姉さんが淡々と試飲用ワインを並べ、試飲をさせてくれました。どうでもいい
 けどここでもピンボケやな・・・舞い上がっていたやろ、オッサン(by妻)。図星。

  試飲したのは、赤・白3種類ずつ。白はシャブリのスタンダード、村名格ワインの
 シャサーニュ・モンラシェ、そして1級畑ピュリニ・モンラシェ・フォラティエール
 です。赤は地域名格ワインのコート・ド・ボーヌ、1級畑のニュイ・サン=ジョルジュ
 のダモード、そして最後はここの看板のボーヌ1級畑、クロ・デ・ムーシュです。

  ここでは試飲は有料で35€(約五千円)でした。妥当と言えば妥当ですが、同行し
 ていた中年グループの皆様はご不満のようでした。まぁ、ここのファンである私とは、
 受け止め方が違うのは仕方がないですね。


  出口前には直営ワインショップがありました。ここもお目当てでした。ドルーアン様
 のワインは日本にも輸入代理店があり、かなりの量が入っていますが、特級ワイン等の
 高級銘柄は市場で見かけることはあまりありません。恐らく高級レストランや大口需要
 家に販売するだけで売切れてしまうのでしょうが、ボーヌの直営店だったら買えるかも!


  うん、まぁグランクリュ(特級畑)のワインもありました。でもやっぱり値段が高い。
 1本5万円では私には無理です。
  ヴォーヌ・ロマネ村にあるロマネ・コンティの隣の畑リシュブールと、ドルーアン様
 所有の最高の畑と言われるミュジニ(いずれも特級畑)のダブルマグナム(3リットル)
 がありました。値段は笑うしかない・・・購入は無理。  

      

  
  オスピス・ド・ボーヌのワインもいくつかありました。でもさっきオスピスのワイン
 は購入したからね。特級畑コルトンのドクトゥール・ぺストゥにはちょっとそそられた
 けどね。なんとか我慢。ムルソーの1級畑シャルムは、ブルゴーニュ公国最盛期の君主
 「フィリップ善良公(フィリップ・ル・ボン)」の名を冠したキュヴェですね。あぁ、
 買っておけばよかった。1万5千円くらいだったので買えないことはなかったな・・・
 (後悔先に立たず、ならぬ、後悔後を絶たずやな・・・by妻)


  私の目を惹いたのは、やはりここの看板畑であるボーヌ1級クロ・デ・ムーシュです。
 赤ワインと白ワインの両方できるのですが、真に評価が高いのは白ワインの方です。
 クロ・デ・ムーシュとは「ミツバチの畑」という意味で、ひだまりのように温かい土地
 らしく、葡萄がしっかりと成長し、熟度の高い葡萄が採れるのですが、ドルーアン様の
 引き締まった栽培&醸造方法により、豊満でいながらキリリとした緊張感のあるワイン
 に仕上がるといわれています。ラベルには蜜蜂の絵が描き込まれていてカワユイのです。
  パリの星付きレストランのマキシムでリスト・オンされて以来、もう世界中から引く
 手あまた。私も何度か頂きましたが、田舎臭いボーヌ1級ワインとは雲泥の差で、庶民
 にも手が届く貴族(なんのこっちゃ?)という感じでした。これは壮観です。

 
  限られた予算ですので、もう決めました。ボーヌ・クロ・デ・ムーシュの白、優良年
 2005年の特別なキュヴェ、ルーヴレ・デ・ダームを購入しました。2万円弱でした。
 日本では紅白セットで当時5万円くらいで流通していましたが、白単体でこの値段はお
 買い得でした。あともう一本買いたかったけど、予想外に高い(つまり日本とそれほど
 変わらない)ので断念。あぁ、今思えばこの値段でも買っておけばよかったんや・・・
 ジョゼフ・ドルーアン様の特級畑ワインなんて、今となってはもう幻やで。 
  購入したボーヌ1級のクロ・デ・ムーシュ2005年、ルーヴレ・デ・ダームのアップ
 写真です。(ネットのワインショップの写真を拝借。同じものなので。)これはどうも
 2015年に蔵出し出荷された特別キュヴェなんですね。ラベルに蜜蜂が飛んでいるのが
 わかります。そうか、2015年4月に出荷とあるので、私はちょうど蔵出しで市場に出た
 時に購入したんですね。まさに絶妙のタイミングでした。今はもう入手不可能。
 でもそろそろ飲み頃かな?瓶越しでも黄金色になってきているのがわかりますので。

    

  
  しかし、あっという間に終わってしまったなあ。もうちょっと時間が欲しかったけど、
 私以外の方は(ガイドさんも含めて)あまり関心がないようで、1時間で終了です。
 個人で予約して行けば時間も融通がききますが、フランス語が分からないとせっかくの
 解説も理解できないから、やっぱりこのツアーに参加して良かったけどね・・


  最後に番外編。我が家にあるジョゼフ・ドルーアン様のワイン御一同様。左から先日
 たまプラーザ東急で購入した地域名格ワイン「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ」の
 2016年、その隣は先日の記事でアップしたボーヌのワインショップ、ドニ・ペレで購入
 した「ボーヌ1級畑、オスピス・ド・ボーヌ(に寄進された畑から生産されたワイン)、
 キュヴェ・モーリス・ドルーアンの2010年です。その隣はドルーアンの看板畑、ボーヌ
 1級クロ・デ・ムーシュの赤、これまた2010年。その横は、ジョゼフ・ドルーアン様の
 カーヴにて購入したこの記事にもあるワイン、ボーヌ1級畑クロ・デ・ムーシュ 白2005
 年。右端は、ラギッシュ侯爵から借用している畑のワイン、シャサーニュ・モンラシェ
 1級モルジョ2009年です。うん壮観ですね。いつ開けるか、楽しみです。(自慢すんな)


  さぁ、この後はいよいよブルゴーニュワインの王侯貴族たち?が目白押し、コート・
 ド・ニュイ地区に移動します。まだまだ続きますよ~(もう飽きたわ。by妻)