Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2015年GW フランス・ドイツの旅 ㉑ ブルゴーニュ・ワインツアー その7 ロマネ・コンティの畑へ

  ブルゴーニュ・ワインツアーもいよいよ佳境を迎えます。(一般の方からしたらどう
 でもえぇこっちゃで・・・by妻)


  ボーヌの街をあとにして、特級畑街道(ルート・ド・グラン・クリュ)を一路、北へ
 向かいます。ちなみに「グラン・クリュ」ってフランス人が発音すると「ごはん、くゆ」
 って聞こえます。カタカナ読みで私が「ぐらん・くりゅ」と言っても全く通じません。
 (そんなことどうでもええやん、はよぅ先に進まんかい!by妻)


  ボーヌの街から車で15分ほどで、コート・ド・ニュイ地区(コート・ドールの北側
 半分のエリア)の中心の街ニュイ・サン=ジョルジュを通ります。ここはボーヌの次に
 大きな町で、個人生産者(ドメーヌ)の蔵やワイン商(ネゴシアン)、ワインショップ、
 レストランやホテルもそこそこあるようです。しかし、ツアーではこの町は素通りして、
 その隣の小さな村、ヴォーヌ・ロマネ村へ急ぎます。
  そうです、ここはかの有名なブルゴーニュで最高の評価(と最高の価格)の特級畑、
 ロマネ・コンティを擁する村なのです。ワイン愛好家が必ず一度は訪れたいと思う聖地
 であります。(以前に私と一緒に行ったやん。また行くんかいな・・・by妻)
 はい、再びやって参りました、ヴォーヌ・ロマネ村です。あっさり到着です。


  さっそくツアーの車は「ロマネ・コンティ」の畑の近くに停車します。もうオッサン
 もツアー同行者も目が血走っています。眼光ランランでロマネ・コンティの畑に近寄り
 バチバチ写真を撮影し始めます。(傍目で見ていたらかなり恥ずかしいで・・・by妻)



  御覧のようにロマネ・コンティの畑は石垣で囲われ、十字架の石像が畑を見守ってい 
 るように見えます。ワインオタクの皆さん方は、この写真を見ただけで、一発でここが
 どこか分かります。もう一種のヘンタイです。(あんたもやん。by妻)
  こんな ↓ 感じで石垣の切れ目のところには ”Romanee Conti" と石に彫り込まれた銘板
 があります。宣伝するわけではないので、目立たず地味な感じですね。


  ロマネ・コンティの畑の葡萄の樹は緩やかな南東向きの斜面に沿って整然と植栽され
 ていますが、石垣からかなり離れたところに植えられていますので、不届き物が手を伸
 ばしてロマネ・コンティの葡萄の粒を失敬することは困難です。まぁ有名過ぎて誰もが
 恐れをなして盗掘などはしないので、かなり無防備ですね。いいのかな?これで。いや、
 たぶんセコムに入っているでしょう。(アホ)
  神々しく後光が差しているような(気のせいやで)ロマネ・コンティの畑を拝みつつ、
 たぶんもう一生飲むことはできないワインのことに思いを馳せておりました。しんみり。
  
   下の写真は、私が一度も触れたことがないロマネ・コンティ様のボトルです。ネット
 ショップから画像を拝借しました。いったいどんな方が購入されるのでしょうね・・・

                                  
  まぁヴォーヌ・ロマネ村には他にも優れた特級畑、1級畑が目白押しですので、気を
 取り直して他の畑の見学に参ります。あ、その前に村の畑の地図を載せておきます。

  上の地図の赤紫色の畑が特級畑(グラン・クリュ)です。村のすぐ背後にあります。
 その中心にある小さな区画がロマネ・コンティです。(La Romanee Conti)と表記され
 ています。そうです、その周囲はすべてグラン・クリュになります。ロマネ・コンティ
 はまさしく王冠の中央にある宝石ですね。ここはD.R.C社(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・
 コンティ)の単独所有畑(モノポール)なのでD.R.Cだけがこのワインを造っている事
 になります。生産量は毎年5~6千本程度だったかな?それを世界中の金持ちが奪い合い
 ますので貧乏な日本人のオッサンに回ってくる筈がないですね。ちょっと悔しいけれど、
 今となってはそういうワインはたくさんあるので、もうなんとも思いません。
 (痩せ我慢しとるのう、ホントは欲しいんやろ。by妻)


  最初に載せた写真は、ロマネコンテイの手前(地図では下、方角は東側)にある道路
 から撮影していますが、その道路の下(東側)の比較的面積の大きな特級畑がロマネ・
 サン=ヴィヴァンという区画です。(Romanee Saint-Vivantと表記があります。)
  村落のすぐ後ろで、やや平坦な地ですが、比較的生産量が多いので、この高名な村の
 特級ワインの中では最もお求めやすい価格です。それでも今は最低でも7~8万円ほど
 しますね。もう文字通り「高嶺の花」ならぬ「高値の花」です。
  ※ 下のラベル写真はネットから借用しました。

       


  下の写真がロマネ・サン=ヴィヴァンの畑です。ほぼ平坦ですね。ちょうど畑で作業
 をされていた方がいましたので、ガイドさんが声をかけてくれました。
  「ここはどなたの所有する畑なのですか?」・・・するとオジサンの答えは・・・
  「D.R.C(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)だよ。私はそこで働いているんだ」
 とのことです。そうなのです。D.R.C社はロマネ・コンティ以外の畑もいくつか所有し
 ていますが、今目の前にある畑がまさしくD.R.C所有の区画だったとは。感激です。
 おじさん、仕事中にすみませんでした。私の口に入ることはまずないと思われますが、
 良い葡萄を育てて良いワインを造ってくださいね・・・とフランス語ができない私は
 心の中で言いました。
  (しかし買えない、飲めないワインの畑を見てなんになるんや?by妻)       

   


  そして今度はロマネ・コンテイの畑の左側(南側)に参ります。先ほどの地図では
 ロマネ・コンティの左側(南側)の道を挟んで細長い区画があります。ここは、最近
 (1992年頃かな?)グラン・クリュ(特級畑)に格上げされた畑、「ラ・グランド・
 リュ」です。直訳すると「偉大な道」かな?ロマネ・コンティに対峙するかのように
 立派な石の門があります。ここはドメーヌ・フランソワ・ラマルシュという生産者が
 単独所有しています。なぜ特級に格上げされたのか? 実はこの畑は元々原産地呼称
 制度ができた時の評価では特級畑とみなされたのですが、当時の所有者ラマルシュ氏
 は、「特級格付けになると税金が上がって値段が上がる。ワインが売れなくなっては
 困る」と言って拒否したのだとか。しかし今や、ヴォーヌ・ロマネ村のワインは高値
 で取引される時代。しかもロマネ・コンティの隣の畑が1級格付畑だなんて勿体ない
 でしょ!ということで、改めて事務局に申請し、昇格が認められたということです。
  まぁ元々特級格付に値すると評価されていたわけですからね。でもラマルシュ氏が
 予言した通り、1級格付け時には約1万5千円だった価格は、特級に格上げ後に倍に
 なり、今や約8万円となっています。さすがにこの値段では売れにくいみたいです。


  こちら ↓ が特級畑ラ・グランド・リュのワインです。モノポール(単独所有畑)って
 誇らしげに?ラベルに記載がありますね。

   

  参考までに、特級に格上げされる前の時代のラベルはこんな ↓ 感じでした。少~し
 古臭いデザインですね。「ヴォーヌ・ロマネ・ラ・グランド・リュ」との表記でした。


  最近生産者が世代交代し、パンクのオネェチャンみたいな若い娘さんが仕切るよう
 になり、品質が劇的に向上したということです。農薬を極力使用せず、生産量を抑制
 気味にする栽培方法と、きちんと手をかけた丁寧な醸造に変えた結果なのだそうです。
 要は親父の代はかなり杜撰だったということみたいです。
  ラベルデザインも、オネェチャンが変えたのだと思います。シンプルで現代的な感じ
 がしますよね。↑ (ちなみにオネエチャンは本当にロック好きのようです)


    

  世間では「農夫のオッサンから、アヴァンギャルドなアーティストのオネエチャン
 に変わって、ようやくグラン・クリュ(特級畑)の実力が発揮されてきた」との評価
 です。(オッサン、立つ瀬がないのう・・・by妻&私。珍しく見解の一致。アホ。)
 この生産者は特級畑ワインしか造らないD.R.Cと違って、地域名格付けの安価なワイン
 (A.C.ブルゴーニュ:価格は約4,000円)も生産しますので、裾モノ?ならば買えない
 ことはありません。パンクのオネエチャン(しつこいな!)の手になる優れたワイン
 の片鱗を味わうことは可能です。ドメーヌ・フランソワ・ラマルシュには注目です。
 (ちなみにフランソワはオヤジの名前。オネェチャンの名前はニコルさん。) 


  上の写真で、中央やや右よりに見える門がラ・グランド・リュの目印です。石垣を挟
 んだ右上側がロマネ・コンテイの畑。石垣の手前側の葡萄樹がギッシリ植えられた緑色
 の細長い区画が、ラ・グランド・リュの畑です。
  そしてその手前側の茶色の土がむき出しになった区画の畑が、D.R.C社のもう一つの
 単独所有畑、「ラ・ターシュ(La Tache)」です。直訳すると「仕事」ですかね。
 ずいぶんあっさりした変てこな名前ですが、D.R.Cさんはここで「いい仕事」をしてい
 ますからね。ロマネ・コンティより濃厚でパワフルなワインを生む畑として、二番目に
 高い評価をされています。値段も二番目ですが。
 (現在の市場価格で、ロマネ・コンティが2~3百万円。ラ・ターシュが50~70万円。
 750mlのボトル1本の値段ですよ。もう畑を拝むしかありませんよね・・・)
 ※ちなみに土が剥き出しの区画は、たぶん葡萄の樹を植え替える予定だと思われます。 
  この ↓ ラベル写真もネットからの借用です。(ワイン辞典か!by妻)

    


  下の写真の手前に広がる広大な畑が「ラ・ターシュ」です。右手奥に見える集落が、
 ヴォーヌ・ロマネ村です。小さな村ですね。


  ここで本来ならば、かつてこの村の村長さんを務めたグロ家のドメーヌ(ミシェル・
 グロさん)を訪問し試飲できるはずでしたが、実に残念ながら当主ミシェルさんが外出
 中のため訪問NGでした。リーズナブルな価格のワインを、日本にもたくさん輸出して
 くれて非常に日本びいきの温厚なおじさんなので、ぜひお会いしてみたかったのですが。


  今回はもう完全に「ワインオタクのひとりごと」みたいな記事になってしまいました。
 健全な一般の皆様には、何が面白いのか意味不明かもしれませんので、この辺でいったん
 小休止いたします。続きはまた・・・(まだ続くんかい・・・by妻)