大相撲初場所六日目③:幕内後半戦の取組・・・
相撲に興味のない方には全く面白くない記事でスミマセン。私の忘備録です・・・
さて大相撲初場所六日目の土俵、幕の内後半戦から再開します。
後半戦最初の取組は、不祥事(不倫)による出場停止から復帰して、幕内まで戻って
来た竜電関(最近、いろいろな理由で謹慎となる力士が多いの~by妻)と、岩手県出身
のベテラン錦木関です。この取組では珍しいシーンがありました。
激しい攻防の最中、行司の木村晃之助が「待った」をかけました。ちょっと珍しい
「行司待った」です。どうしたんだろう?と思ったら・・・
錦木関のまわしが緩んでいたのです。晃之助は、手際よく緩んだまわしを締め直し、
十数秒後(だと思う)に勝負再開です。
終始攻め続けた竜電関が、粘る錦木関を寄り切りました。錦木関のまわしがちょっと
ピンチでした・・・ちなみにまわしが取れてしまったら、「反則負け」になります。
土俵上で素っ裸にされたうえに負けてしまうのは可哀そうな気がしますが、晃之助さん
の機転でそのような悲劇は回避されました。ホっ。
次は人気者の宇良(うら)関です。低い体勢から重心を低くして相手の懐に突っ込ん
できて、あわよくば足取りをするので対戦相手からは常に警戒されています。しかし、
なんとかして勝ちたいという必死さが伝わるのか、女性に大人気の力士です。この日も
場内には「黄色い声援」が飛び交いました。この日の相手は佐田の海関です。
この日は意外にまともな立ち合い。途中で外掛けを仕掛けて相手の態勢を崩しますが、
思いのほか正攻法で佐田の海関を寄り切りました。もっと面白いことをしてほしい気も
しますが、毎回毎回サーカス相撲では疲れますし、ワンパターンのやり方では相手にも
通じなくなりますしね・・・
勝ち名乗りを受ける宇良関。なんだか不二家のペコちゃんみたい。(アホ)
この後も、なかなか見ごたえのある取り組みが続きました。
大関から陥落して今場所は前頭二枚目の御嶽海(みたけうみ)関、今場所は体調が少
し戻って来たようで、この日も鋭い出足で錦富士関を土俵際に追い込みます。最後は、
ちょっと投げ技を食いそうでしたが、なんとか勢いで寄り切りました。ブルドーザーの
復活まではもう少し、といったところでしょうか。
テレビの映像では、こんな感じ ↓ でした。観る角度によって印象が違いますね。
ぶちかましと言えばこの人、前頭筆頭の大栄翔関。小結霧馬山関を一気に押し込み、
土俵の外に弾き出しました。大関貴景勝には敗れているものの、これで5勝1敗。
関脇4人全員(若隆景、豊昇龍、正代、高安)をなぎ倒しており、優勝争いのダーク・
ホース的存在になりそうです。
続いては小結対決。今場所は横綱・大関が一人ずつしかいない異常事態なのですが、
そのかわり?、関脇と小結が4人ずついます。存在感を示すベテランもいれば、飛ぶ鳥
を落とす新鋭も台頭しており、ここ最近の上位陣は混戦模様になっています。昨年1年
間は毎場所優勝力士が違っていましたし、平幕優勝が(確か)3人もいました。今場所
も戦国時代の様相です・・・ということで、小結対決の琴ノ若関、明生関戦も注目です。
おっと~ 出足良く土俵際まで押し込んだ明生関ですが、土俵際で琴ノ若関にデカい
体をかわされ、はたき込みで敗れました。大柄な琴ノ若関、意外に俊敏な動きです。
反対側から見たテレビの映像です。うわ、ビミョーやな。物言いはつかなかったけど。
琴ノ若関はオヤジさん(審判部長の佐渡ケ嶽:さどがたけさん、元関脇初代琴ノ若)の
前で勝てて良かったですねぇ。(あんまり褒められた内容ではないけどな。by妻)
続いては東の正関脇・若隆景関の一番。大関候補として注目されていますが、毎場所
序盤は負けが込んでいて、今場所もここまで2勝3敗と黒星先行。対するは幕内最年長、
2場所前は優勝してしまった実力者の玉鷲関です。年齢を感じさせない強烈な突き押し
とエネルギッシュな取り口で土俵をわかせてくれています。注目の一番でした・・・
・・・しかしなんということでしょう。若隆景関は立ち合いに変化し、勢いよく突進
してきた玉鷲関をあっけなくはたき込んでしまいました。あっという間の出来事でした。
これには(ほぼ)満員の観客もため息です。大関を狙う若者が、実力者のベテランに
対する態度としては褒められた事ではありません。まぁ星勘定が苦しいのと、おそらく
現状では玉鷲関の強烈な突き押しを防ぎきれないと判断したのでしょう、と解説の方が
言っていたようですが、そもそも突き押し相撲に弱いという弱点を克服しない限りは、
大関への道も険しいでしょう。目先の1勝を手にしたのはいいのですが、さらなる奮起
を期待したいところです。ふるさと福島から大勢駆けつけて大声援を送っていたファン
の方々をがっかりさせてはダメですよ。
続く関脇二番手は、大関から陥落した正代(マサヨさん)関。今場所もやる気が感じ
られないような覇気のない相撲でここまでなんと1勝4敗。今場所10勝以上すれば大関
にカムバックできるのですが、既に絶望的な状況です。なんとか意地を見せてほしい。
相手は人気者の翔猿(とびざる)関。自力をつけてきたので簡単な相手ではありません。
おぉ!マサヨさん、今日は積極的に攻めていました。力強い相撲で押し出しました。
やればできるやん。なんとか、この日のような相撲を続けてくれれば・・・
3人目の関脇高安関は・・・なんとこの日から休場です。先場所は悲願の初優勝に手
が届くところまで行きながら、千秋楽の本割と決定戦で負け続け、最後には脳震盪を起
こすようなひどい負け方をしてしまったのが多くの相撲ファンの胸を痛めました。その
時の後遺症もあるのでしょうか、今場所もいつもの調子ではなかったようですが、やは
り万全ではないということのようです。せっかく関脇まで戻って来たのに、本人として
も悔しいでしょうが、ケガを直して体調を整えて再チャレンジしてほしいです。何度も
心の折れそうな挫折を乗り越えて復活してきた高安関ですから、諦めないで頑張ること
と思います。みんな応援していますよ、頑張れ!
ということで、不戦勝となったのは進境著しい新小結の若元春関。好取組がなくなり
観戦しているファンはがっかりですが、これで星を3勝3敗の五分に戻しました。弟の
若隆景に先を越されてきましたが、もう少しで追いつきそうですね。切磋琢磨してさら
に活躍してほしいです。
勝ち名乗りを受けて、次の取組に備えて土俵下に残る若元春関。
土俵上では、もはや名物となった呼出し筆頭の「次郎」の調子っぱずれな声が響き
わたります。NHKのテレビ中継では音声を調節して、次郎の声が入らなくするように
工夫をせざるを得ないほど、聴くに堪えない調子っぱずれな声なのです。相撲界は、
まだ年功序列が幅を利かせているんでしょうか。久々に聞かされた・・・(失礼)
高安関の休場はちょっと残念で、呼出し次郎の声にはげんなりでしたが、結び前と、
結びの一番で、場内の活気が一気に戻ってきました。
まずは結び前の一番。西の正関脇で、恐らく現在最も大関に近いと思われる豊昇龍関
(モンゴル人横綱の朝青龍の甥っ子。外見もちょっと似ています)と、小兵力士ながら
伝家の宝刀「肩透かし」をはじめ、高度な技巧と粘り腰で着々と番付をあげてきた前頭
三枚目の翠富士(みどりふじ)関の対戦です。
実は豊昇龍関は翠富士関を苦手としているようで、これまでの対戦成績では先場所の
1勝のみで、後はすべて翠富士が勝っているということです。前日大栄翔関のぶちかま
しに敗れた豊昇龍関としては、なんとしてもここで踏ん張る必要がありました。
両者とも鋭い踏み込みです。早すぎて写真がブレてしまいました。
地力に勝る豊昇龍関は、早く勝負をつけたいのか一気に攻め立てて翠富士關を土俵際
まで追い込みます。
うわ、勝負あった! と誰もが思ったはずですが・・・
土俵際の俵に足をかけて体が完全にのけ反った状態の翠富士關ですが、驚異的な足腰
の粘りで踏ん張り切ります。そして押し切れない豊昇龍関の攻撃の間隙を縫って、体を
起こし直し、一気に土俵中央まで押し戻します。場内からは大きなどよめきと、拍手が
沸き起こりました。皆さん大喜びで、大盛り上がりです。
これ ↓ どう見ても勝負あったと思いますよね~ ここから盛り返すなんてスゴイ!
決めきれなかった豊昇龍関は、もう一度土俵際まで翠富士関を追い込みますが、今度
もそう簡単に土俵を割りません。両力士のスピードが速く、目まぐるしく動き回るので、
片時も目が離せません。手に汗握る白熱の好勝負となりました。
最後はやっぱりこうなるか、という感じで土俵際での投げの打ち合いとなりました。
押し込んでいた豊昇龍関ですが、翠富士関はここでの大逆転に賭けていました。
生で見ていると、一瞬のうちに両者がもんどりうって土俵下に倒れ込みました。ほぼ
同時のように見えましたが、オッサンの目には翠富士関の左足が残っていて有利に見え
ました。(ひいき目っちゅう奴やな・・・by妻)
場内には再びどよめきと歓声です。そして、立行司の式守伊之助の軍配は翠富士関に
あがりましたが、すかさず勝負審判員から、「物言い」がつきました。国技館の中には
ビデオモニターがありませんので、判定がどうなるのかを固唾をのんで見守ります。
さぁ、判定はいかに?
今場所から伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に代わって、幕内後半戦の審判長を務める
佐渡ケ嶽(さどがたけ)親方、元関脇琴の若さんがマイクを握ります。
「ただいまの勝負について、ご説明いたします。」
テレビの映像では、はっきりとわかりました。
翠富士関の左足のかかとが、土俵の外についているかどうかが微妙だったようですが、
結果は行司軍配通り翠富士関の勝ちとなりました。決まり手は突き落としでしたが・・
再び場内は割れんばかりの大拍手です。この日最高の盛り上がりでした。
これで翠富士関は4勝2敗。まだ上位との対戦を残していますので苦しいのですが、
間違いなく今場所を盛り上げる力士の一人になっていますね。この日の一番で、ますま
す人気が上がりそうです。静岡県出身者としては、なんとか勝ち越して三役に名を連ね
てほしいと思っています。この後もがんばれ!
好取組の余韻が覚めない中、結びの一番です。
横綱照ノ富士関が不在の中、一人で土俵を締める役割を果たし続ける大関貴景勝関に、
先場所優勝した前頭三枚目の阿炎(あび)関が挑みます。先場所は本割でも優勝決定戦
でも阿炎関が勝っており、これまたどちらが勝つかわからない好取組です。まだ6日目
なのに、こんなにいい取り組みを持ってきてしまって大丈夫なの?日本相撲協会さん。
(まぁオイシイところを見られるからえぇやん。by妻)
気が早いですが、これも優勝を占う一番になるのかもしれません。
気合十分の大関。
なんだか少し余裕を感じさせる挑戦者の阿炎関。
お約束の阿炎関の、足を高々と上げる四股が披露されました。すごく体が柔らかいの
ですね。恵まれた身体にこの柔軟性、素材としては超一流の力士だと思います。お腹が
出ていなければ、フィギュアスケートのビールマン・スピンも可能かもしれません。
(アホなこと言ってる場合とちやうで。by妻)
一方の大関も、トレードマークの仕切り前のこの ↓ ポーズ。気合が入ってますね。
制限時間いっぱい。さぁ注目の立ち合いです。両者ともにまともに行きました。
阿炎関が先場所同様、その長いリーチを生かして高速の突っ張りを繰り出します。
しかし大関は、相手をじっくり見ながら自分も突っ張り返します。これで阿炎関の突っ
張りの威力が抑えられました。突っ張りで負けないこと、が勝利への第一歩です。
とはいえ阿炎関に突っ張りで負けないなんていう力士は、そうそういないと思います。
大関は下からあてがうようにして阿炎関の「高速ピストン突っ張り」の圧力を和らげ、
低い体勢から一気に土俵際に相手を追い込んでいきました。スゲェ馬力です。
これには阿炎関はひとたまりもありません。なんとか土俵際で粘ろうとしますが、
大関はそれを許さず、万全の態勢で押し出しました。
先ほどの一番のスピードと土俵際の攻防もすごかったのですが、激しい突っ張り合い
からのド迫力ブルドーザー相撲もスゴイです。場内はまたしても割れんばかりの大歓声
と拍手喝采です。(今場所から、マスクをしたうえでの声出しがOKとなりました。)
最後、「どうだ!」といわんばかりの大関。
全勝だった阿炎関に土が付き、大関とともに5勝1敗となりました。
これで幕内力士の全勝がいなくなり、なんと大関貴景勝以下8人が5勝1敗で並びま
した。貴景勝以外はすべて平幕力士ですから、今場所も波乱の場所になりそうです。
花道を引き揚げる大関、満足感にあふれる、ちょっとお茶目な表情です。
いやぁ、最後の2番を見られただけでもお得な感じでした。
まだ6日目。あと9日間ありますので、賜杯の行方は何とも言えませんが、ファンを
喜ばせる好取組と、優勝争いの盛り上がりを期待したいです。
皆様、長々と相撲観戦記事にお付き合い頂き、有難うございました。
帰宅して、夕食は少し控えめに。
妻が気になっていたという「国技館やきとり」のハーフを今回も購入しました。
なんと、700円だったのに、750円に値上がりしていました。😓 しかし、オッサン、
JAF会員5%引の看板を見逃しませんでした。やきとりにも使えるそうです。持ってい
て良かった。これで712円となりました。😆
(どうでもえぇけど、やっぱりワインを開けるんかい!by妻)
スーパーで購入した、ブルゴーニュの著名ネゴシアン「ルイ・ラトゥール」さんが
南フランスで作るシャルドネ種の白、「アルデッシュ」です。安い(1,500円)けれど、
大量生産で手間をかけずに造っていると思われるので、とにかく薄い。アルコール度は
13%ありますが、色も味も薄い。ブラインド(目隠し試飲)だったらシャルドネだとは
思えないような薄さ。シャバシャバでした。まぁ仕方ない。焼き鳥には合わないことも
なかったので、我慢して飲みました。(偉そうやな~、何様や。by妻)
これにて大相撲編は終了です。お付き合い頂き、有難うございました。
<後日談>
この日休場となった隠岐の海関が、なんと今場所限りの引退を決意したとのことです。
公式発表ではありませんが、来場所は十両陥落が確定なので、決断をしたようです。
えぇ~、まだ頑張れると思っていたのに、とても残念です・・・でも、体調のことは
本人にしかわからないと思います。きっと、もう限界だったのでしょう。
37歳と、幕内では玉鷲関に次ぐ古参力士でした。最高位は関脇。生涯勝星は674勝。
長い間お疲れさまでした&有難うございました。
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